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こんにちは。
とうとう冬休みが終わります・・・働きたくないでござるorz
腰痛であまり出歩かなかったので思ったほどお金を使わなかったのが、この冬唯一良かった事でしょうか(良かったのか?それ)
皆様も明日から本格的にお仕事や学校が始まるという方も多いでしょうが、ノロやらインフルやら流行っているようですので、体調管理にはお気をつけ下さいまし。
さて、今日もイチゼロです。
小説は続き~からどうぞ。
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《キミの印・4 》
だって博士は、ゼロのコトをボクの“ツイ”だって言った。ボクと、同じだって・・・
「貴方がとても順調に稼働し、機体としての安定が確実なものとなると、保管に費用がかかる予備機体は廃棄が検討されました。博士は、そんな“私”を、プロトタイプの比較実験用として起動して下さったのです」
ゼロがこの世にいなかったかもしれないっていう事実にゾッとして、だけど今ボクの目の前にキミはいる。それにボクも、どこも壊れてない。それなら
「その話が本当なら、ボクらは一つの設計仕様書から同じ時に作られてる。設計仕様書の識別番号はその時に印字されてなきゃいけないのに、ゼロにだけ無いなんておかしいじゃない」
「『同じ設計仕様の機体が2機以上あってはならない』。貴方もご存じでしょう?個体識別番号は、その番号をふった設計仕様により作成された“1個体”を管理するもの。貴方の番号は、〈カイト〉プロトタイプ“イチ”として、その身体を使うと決定した段階で印字がされたそうです。もし途中で機体変更を余儀なくされた際は、スペア(この)機体にもう一度その番号を印字したのでしょうね」
ボーカロイドは、基本構造以外の全部を発注者好みに作れる高価なアンドロイド。見た目がそっくりだったとしても、1機1機が必ずどこかは違うように出来てる。ううん、そうしなくちゃいけない。だって、“他と同じモノは無い”のもボーカロイドの売りの一つなんだから。
勿論ボクも“識って”はいたけど・・・それが自分たちにも関係あるなんて、考えもしなかった。
「でも・・・でも、作られた時はそうだったのかもしれないけど!起動したら、もうそれはボクのスペアじゃなくて“ゼロ”だよ」
ボーカロイドは“ココロ”を持つロイド。同じ環境で稼働してても、感情や思考が全く同じになるコトは有り得ない。・・・たとえそれが、同時に作られた同一型の機体だって。
縋るようにゼロの両腕を掴んで言うと無表情が緩んで、さっきの作り笑いと違う、素のゼロがたまに見せてくれる優しい笑みが浮かんだ。
「・・・不思議だと思いませんでしたか?貴方より後から起動した私が、“1”より前の“0”という名を持つ事を」
確かに、どうしてだろうって思ったコトはある。まだゼロを嫌だって思ってた頃には、ちょっとした嫉妬もあった。ボクの方が先に起動したのに、ボクより前の数の名前なんておかしいって・・・
「私の名は“1”の前、という意味ではないのです」
「どういうコト?」
0は1の前の数でしょ?他になんの意味があるっていうの?
ベッドに座り込んだまま見上げた視線で先を促すと、ゼロはボクの手を取って、その手の平に指で自分の名前を指す数字を書く。
「“0”という数字はありますが、“0個のもの”、というのは現実にそこにはありませんよね?それと同じです。稼働する機体はあれど、それが“私”だと示すものも、残すものも何も無いから“ゼロ”。・・・稼働許可を出す代わりに、私の立場を忘れないようにと本社の方が名付けて下さったそうですよ」
「・・・」
あんまりひどい理由に、言葉が出なかった。
“本社”っていうのはボーカロイドの販売をしている会社で、この研究所はそこの開発部門が持ってる施設。だからボカロを大切にしてくれてるココの人たちも、本社の言うコトには逆らえない。
「博士は済まないと頭まで下げてくださいました。ですが私は・・・アンドロイドにあるまじき考えかもしれませんが、正直申しましてそれほど気にしていなかったのです。一度も目覚める事無く廃棄される可能性さえあったのに、プロトタイプと同じように実験機としてお役に立てる。これ以上なにを望む事があるでしょう?」
ゼロはそんなふうに言うけど、ボクらにとって自分の根拠が無いっていうのは多分人間が感じる以上に怖いコト。“作られた”コトの理由がないって、そこに存在して良いっていう許しが無いのと同じようなものだもん。
『気にしてなかった』だなんて。そんなのウソだって、平気じゃなかったでしょって言おうと口を開くその前に、囁くような小さな声。
「けれど私・・・欲が出てしまいました」
他に何の音もしない部屋の中には、言葉と一緒に落ちた涙の粒が、シーツに落ちてパタッと音を立てるのさえ聞こえる。
「イチが私を好きだと言って下さるたび・・・そしてイチを好きになればなるほど、自分がこのように曖昧な、貴方と“同じではない”モノだと知られてしまうのが怖くなって。もし厭われてしまったらと考えるだけで、そのまま消えてしまいたくなって・・・」
静かに涙を零し続けるその顔は無表情なのに、すごく辛そうで悲しそうで、苦しそうで・・・その涙を拭いたくて伸ばした手に気付いたゼロは、怯えたようにギュッと目を瞑って身体を縮めた。ゼロ、今ボクを拒絶した・・・?
「ごめんなさい、イチ。私は今までずっと、愛しい貴方を欺き続けていたのです」
シャツを羽織り直した身体が離れていくのを、ただ茫然と見送る。
「お願いです、今日だけは・・・どうか一人にさせて下さい。貴方を騙したその罰は、必ずお受けしますから」
*************
廃棄予定だったゼロの稼働に対しては、本社側はお金がかかるのであまり良い顔をしなかったのを、理由を付けて研究所が押し切った感じです。
名前は本社の嫌がらせ以外の何物でもないのですが、『イチ』と『ゼロ』で客観的にそんなにおかしくないので、しぶしぶ承諾しました。
続き
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