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「アイス大好きな歌う青い兄さん」にやられた可哀想な人のブログです。
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こんばんは。

先日は新しい職場で初めての運動会でした。雨が降らなくて良かった。
今までの職場より100人程児童が少ないせいか、なんだか淡々と進んでる感じがしましたね。少なければ少ないなりに凝った競技が出来たりして良いんでしょうが、やっぱりマーチングやダンスは数が多い方が盛り上がるなぁ・・・。


さて、今日でゼロ視点話はおしまいです。思ったより長くなってしまいましたが、お付き合い有難うございました。

小説は続き~からどうぞ。


***************

《対の貴方・7 》


「イチと目が合ったり触れられたりすると、動悸が激しくなり胸が苦しいのです。それなのに傍にいないと不安で、遠くに見える姿さえ目で追ってしまいますし、気がつけば貴方の事を考えてしまって。こんなに激しい動悸を知られたらおかしく思われるのではと、恥ずかしくて避けてしまっていました。ごめんなさい」

 まるでイチのせいだと言うような理由を告げる事には勇気が要りましたが、今までの態度で傷つけてしまっていたとなれば、そうも言っていられません。
 途切れ途切れ説明していると、あんなに悲しそうな顔をしていたイチはじわじわと頬を染めていき、遂には私の胸に額を押し当てて俯いてしまいました。そのような事をされると、今も暴れるように早いこの鼓動が本当に伝わってしまうので止めてほしいのですが。

「・・・あのさ、ゼロ。どうして自分がそんなふうになるのか、ホントに分かんないの?」
「ええ・・・イチは分かるのですか?」

 それなら是非とも理由を教えて頂きたいです。それと、対処法を。
 訊き返すと胸の上でゴニョゴニョと、ボーカロイドである私の耳でも聞き取れないほど小さく呟いた後

「例えばもしゼロが所員の若い子から、ある女の子の近くにいるとドキドキして、気がつくと目で追ってて、頭の中はいつもその子のコトばっかりなんですけど、どうしてですかね。って言われたら、どう思う?」
「どう、と言われましても・・・所員の方は、その女性に恋をなさっているのではないでしょうか?」

 私の知識の中から当て嵌るのがそのようなものであり、実際の人間の考えはまだまだロイドの思考など及びもしないのでしょうが。普通に考えれば、そのように結論付けるのは人間も同じではないかと思います。

「なんでそこまで分かってるのに・・・あのね、ゼロ。今の、ゼロがボクに言った理由とほとんど同じなんだけど」
「へ?」

 あまりに思いもよらなかった事を言われると、本当に声が漏れるのですね。

 再び真正面に戻った青い瞳を見詰めたまま、改めて先程の話を自分に置き換えて考えてみると、確かに私の症状は、イチに対して恋心を抱いていると言っているようなもの・・・・

「ぇ・・あ・・で、でも!でも私・・・私が、イチを・・・」

 自分の事ながら全く気付いていなかった気持ちに驚き慌てふためく私に、ゆっくりと身体を起こしたイチは

「ボクもそうだよ。ゼロが好きって言ったでしょ?あれ、ゼロに恋してるってコト。ゼロと一緒」
「ですが、貴方と私は全く同じ作りで・・・いえ、それ以前に同じ男性型で・・・」
「うん、そう。世界にボクらだけ、ぜーんぶが同じなツイのボーカロイド。その二人が好き同士。これってダメなコトなの?」

 私を見下ろしながら首を傾げるイチに、返す答えがありません。
 人間の恋愛では、同性同士をタブーとしていた長い時を過ぎ、現在はどちらの性のパートナーを選んでも殆ど偏見等はないそうです。そして、ボーカロイドが世に出て早数年。ボーカロイドと人間の恋愛も増えてきていると聞いた事はあります。では、私たちのような場合はどうなるのでしょうか?

「・・・わかり、ません」

 そもそも今やっと自分の感情に名前がついたところだというのに、それの良し悪しについてまで気を回す余裕がある筈ないでしょう?
 途方に暮れてそう返せば、イチはようやくいつものようにニッコリと笑い、横になったままの私の身体を引き起こして軽く抱き締めます。

「ねぇゼロ、これ、嫌?」
「動悸は、しておりますが。嫌ではないです」
「ふふっ、ホントはね、ボクもすっごいドキドキしてる。じゃあ、これは?」

 一度距離を置き、それからゆっくりと近づいてくる少し緊張した顔に条件反射のように目を閉じれば、唇に触れる柔らかい感触。二度目のそれに思わず強張る身体を宥めるように背中を撫でられ、そっとイチの背に腕を伸ばすとそれに気付いたのか唇が触れあったまま、小さく笑うのが目を閉じていても分かりました。

「嫌だった?」

 同じ顔、同じ姿のロイドがこのような事をしているなど、傍から見れば滑稽に思われるか、気味が悪いかもしれません。ですが、私は・・・

「嫌では、ありません。・・・いいえ、とても幸せな気持ちです」
「ボクも、すっごく幸せ。好きな子と一緒にいたい、キスしたいって思うの、悪い訳ない。ボクとゼロだって同じハズ。それでもゼロが不安なら、今から博士に確かめに行く?ボクとゼロ、好き同士でもいいですかって」
「いいえ・・・それは、今度にいたしましょう」

 何となくですが、博士は良いと言って下さる気がいたします。『何となく』だなんて、アンドロイドの癖に根拠の無い事をと言われてしまいそうですが。

「ボク、ゼロが好き。世界で一番大好き。ゼロは?ボクのコト、好き?」

 ベッドの上で抱き合ったまま、イチが私の顔を覗き込むようにして訊いてきました。こうしている今も動悸が治まった訳ではありませんし、ほんの僅かな間での急展開に思考回路の動きが少々追いついていない気もいたしますが、それでもこれが、嘘偽りない私の気持ちです。

「はい。私も貴方を・・・イチを、誰よりもお慕いしております」

 ほんの数十分前までまっすぐ見られなかった青い瞳をじっと見つめてそう告げれば、私の大好きな明るい笑顔が、目の前で大きく花開きました。

*************


という訳で、ゼロ視点でした。ようやく両想いです(遅っ!)
今後、今のツーカーな関係になるまでにアレコレあるのですが、また追々書いていけたらと思います。取り敢えずは、初夜かな?(笑)

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