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こんばんは。
明日以降ちょっと更新できるか分からないので、先に更新いたします。
しっかし、急に暑くなりましたね。まぁ7月に入ったので当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、体がベタベタします・・・。まだ梅雨も明けていないので雨も多いですが、河川の近くにお住まいの方は気を付けて下さいね!(私は、洪水とは無縁の畑のど真ん中に住んでいるので大丈夫ですが)
さて、イチゼロの続きです。
小説は続き~からどうぞ。
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《ツイのキミ・5 》
「いない?」
「ああ、うん。確かに来たけど、20分くらい前に出て行ったよ」
「そうなんだ。ありがとう」
研究資料を漁っていた所員さんにお礼を言って、図書室を出た。どこ行ったんだろ、ゼロ。ボクらはこの研究所から出られないから、他に行くところなんてそう無いんだけど。もう夕方だけど、中庭に出たのかな?
他に探す当ても無かったから、庭へ向かって階段を下りた先にポツンと落ちてたそれは、海の生き物を載せた薄めの図鑑で・・・
「・・・ゼロ?」
呟いたその時、微かな物音が聞こえる。多分人間には聞こえないくらい小さかったけど、ボーカロイドの耳には確かに届いたその音の元は階段下にある、滅多に使われない物置だった。
ざわつくココロに動かされるみたいに勢いよくそのドアを開けば、最近入ったばかりの若い研究補助員の男に圧し掛かられた、人形みたいにピクリとも動かない身体。男から背けるようにこっちを向いた無表情の中で、ぽっかり空いた穴みたいに暗い青の目が揺らいで涙が一粒零れ落ちる。
「ねぇ・・・なに、してんの?」
意識しないままの呟きは、自分でもびっくりするような低い声だった。
ぐしゃぐしゃに肌蹴られた服の間から覗く真っ白い肌に手を這わせたまま、馬鹿みたいに呆けていた男がその声で弾かれたように身を浮かせた瞬間、思いっきり腹を蹴り上げる。鈍い音がしたから骨でも折れたかもしれないけど、まぁいいや。そのくらいでじゃ死なないでしょ?
ガラクタが積まれた棚に突っ込んで派手な音を立てながら、耳障りな呻き声を上げるのがうっとうしいなぁって思いながら、動かないゼロを抱き上げると
「ゼロ!ねぇゼロ、しっかりして?」
「・・イ・・チ・・・?」
「うん。ボク、イチだよ」
そう答えれば、ガタガタ震え始めた身体は何の表情も浮かべないまま、それでもぎゅうっとボクにしがみついてきた。
「どうした!?」
「今の音は何だ!」
音を聞きつけた所員さんたちがそれぞれの研究室から集まってくると、ビクリとゼロの身体が跳ねて震えがひどくなる。
「詳しいコトは後で話すから、取りあえずそこのヘンタイ捕まえといて。ボク、ゼロを連れてく。行こう、ゼロ」
それだけ言って、動けないゼロを抱き上げた。面倒ゴトは、人間が何とかしてくれるでしょ?だって・・・人間がやったコトなんだから。
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『ボク、ロイドで良かったなぁ』って思いながら騒がしい1階を後にして部屋へ戻る。人間じゃ、同じ大きさの相手を抱えてスタスタ歩くなんて出来ないもんね。
「ゼロー、着いたよ」
そう声を掛けながらそっとベッドに下ろすと、ボクの首に縋りつくみたいに腕を廻したまま固く閉じてたゼロの目がゆっくり開いた。
「もう平気。ボクしかいない」
ここがどこか確認するみたいにキョロキョロ辺りを見回すゼロの隣に座って頭を撫でると、今までずーっと強張ったまんまの身体から、やっと少し力が抜けた。
「・・・ごめんなさい、イチ。ご迷惑をおかけしました」
「ボク、メイワクなんてかけられてない。それよりどっか痛いトコとか、おかしいトコない?」
「はい・・・大丈夫です」
うん。確かに身体の方は、ざっと見た感じ“未遂”で済んだようだけど・・・
「大丈夫、じゃなかったでしょ?怖かったね」
そう声をかければ、今までずっと無表情だった顔が小さく歪んだ。
「・・図書室から、戻る途中で、あの方に声を掛けられたのです。まだ、この施設に不慣れで・・・物置に荷物を取りに行くのだけれど、場所がわからない、と。それで、ご案内をしましたら・・・突然、掴みかかられて・・・」
自分の腕を抱え込むみたいにして話すゼロの身体が、さっきのコトを思い出したのかカタカタとまた震えだしたから、そっとその肩に自分の肩をくっつけてみた。びっくりさせちゃうかなとも思ったけど、ゼロも腕を下ろしてゆっくりボクに寄りかかってくる。
「セクサロイド、なんだろう、と・・・これはただの、実験だと・・・」
確かに、ボクとゼロの身体はセクサロイドのものを使ってる。
今発売されてる〈メイコ〉と〈初音ミク〉はボカロ用に独自制作されたボディを使ってて、そのせいで製作期間も長くなるし値段も高いから、ボカロが欲しくても買えない人がいっぱいいた。
その改善策として、構造がよく似てて量産体制が確立してるセクサロイドのボディをボカロに転用するコトになって、初めて作られた機体がボクたち〈カイト〉のプロトタイプ。これで順調な結果が出れば〈カイト〉は完全に転用ボディに。〈メイコ〉や〈初音ミク〉のボディも切り替えていって、ゆくゆくはまだ開発初期の〈鏡音〉へも応用するって話だったけど・・・
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この当時、まだボカロ保護法は知れ渡っていなかったので、こういう事もありました。千代カイトの頃にはこんな事すると、ボカロに内蔵された自動通報装置が作動してすぐに捕まりますのでご安心ww
続き
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