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「アイス大好きな歌う青い兄さん」にやられた可哀想な人のブログです。
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こんばんは。

今日は地元で一番の大イベントがあり(具体的に言うとバレそうなので内緒ですが)、朝の6時前から役員さん達が道路に立っていました。大変そうだなぁ・・・


さて、イチゼロの3話目です。(毎回ノロノロ更新で申し訳ありません)
先日の拍手お礼でもちょっとコメントさせて頂きましたが、お礼小話のトップにイチゼロのイチャイチャ話が出てたんですよね。更新との温度差が酷いwww
居た堪れなかったので表示をランダムにしたのですが、それでも最初に出てきちゃったらすみません(笑)

小説は続きからどうぞ。

 


************

《ツイのキミ・3 》


「・・・イチ?」

 さすがに様子がおかしいと思ったのか、後ろからゼロが珍しく声をかけてくる。

「・・・ちょっとボク、視覚機能がおかしくなったのかもしれない」
「どういう事ですか?」
「見てみれば?」

 人間じゃあるまいし、“見間違い”なんて有り得ないだろうけど。
 そう思いながらもそれを期待して身体をずらすと、ゼロが遠慮がちに扉を開いて・・・

「は・・?」

 そう呟いた顔を見て、こっちがびっくりした。
 青い目をまん丸に見開いて固まったまま、小さく開いた口をハクハク動かすけど声は出てこない。それは、小っちゃい子が驚いた時みたいで・・・なにこれ、ゼロだって表情ちゃんと変わるんじゃない。どうして今まで、こういうカオしなかったんだろ?

「ベッドだよねぇ、どう見ても」

 でも、ゼロがこんなふうに驚くのも無理ない。
 前より一回りくらい広いハズの部屋は、だけどその真ん中に鎮座したダブル・・・ううん、キングサイズのベッドのせいで、すごく狭く見えた。

「あ、え、あの・・・部屋は本当に、本当にここ、で、よろしいのですか?」
「博士がそう言ったんだから、そうでしょ」

 いつもの落ち着き払った姿はドコ行ったのか、あちこちキョロキョロしながら、ほんのちょっとだけ困ったように眉を寄せるゼロ。
 何故か急に“ツクリモノ”じゃなくなった顔を見てたら、さっきまでゼロと同じ部屋なんて冗談じゃないって思ってたのがウソみたいに、気分が良い。

 自分でも理由が分かんないまま、フワフワ浮ついた気持ちと同じように浮かれる足取りで今日から過ごす部屋に入ると、その後を不安そうにゼロが続いた。

「あ、ボクのタンス」
「・・・間違い、ないのですね」

 ベッドが大きすぎるせいで存在感が薄いけど、一応前の部屋に置いてあったものとかも運び込まれてる。ボクのやつの隣に置かれた似た感じのタンスは、ゼロのかな?

「とにかくボク、今日は疲れた。寝たい」

 この部屋の主みたいなベッドに倒れこむと、スプリングが効いてて前のベッドよりずっと気持ち良い。こんな立派なの、どこで用意したんだろ。

「ゼロだって、一日検査してたんでしょ。寝れば?」
「え?あ・・・」

 声をかけると戸惑った顔をしたゼロは、後ずさりしてベッドから離れようとした。

「どこ行くの」

 訊くと元の無表情になったけど、目だけはあちこちフラついてる。じっとそれを見上げてれば、結局ボクに戻ってきた視線が一瞬揺れて

「私は、その辺りで休みますので」
「その辺りって、ドコ?この部屋、寝られそうなのコレだけ。ソファもイスも無い」
「それはそうですが・・・私と同じベッドでは、イチもお嫌でしょう?」

 いつもの無表情で言われたら、きっとすぐに頷いてた。
 でも、ねぇ。なんでそんなカオしてるの?昨日は全然平気そうな顔してたクセに・・・ボクの言ったコト気にして、しっかり傷付いてたんじゃない。

「えと、昨日は・・・ううん、昨日も、それより前も。今までゴメン。ボク、ひどいコト言った」

 今までもいっぱい傷つけてたんだって、そのカオを見てやっと気がついたボクが謝ると、ゼロは小さく首を振った。

「いいえ、気になさらないで下さい。私は、イチが今まで努力して得た成果を労せず搭載しています。貴方からすればそれだけでも不快でしょうに、ましてこのような愛想の欠片も無い者が自分と同じ姿をしていては、厭われて当然ですから。やはり博士にお話しして、明日にでも部屋を分け・・・」 

 いつもと同じように淡々と喋るけど、青い睫毛が綺麗に並ぶ瞼を伏し目がちにパチパチさせて、眉毛はちょっぴりハの字。表情としてはまだ乏しい、でもちゃんと分かるくらい“悲しそう”なカオを見てられなくて、ボクは話の途中で口を挟む。

「あの!・・・あのね、確かにゼロをズルいって思ったコトある。ボクが実験して分かったコト、全部良くしてゼロに使われてるから。でもそれって、起動した時期が違ったらアタリマエ。気にしないで」
「ですが・・・」

 よく考えれば、ボクの実験結果からホンモノの〈カイト〉を出来るだけ良い機体にする、そのための“プロトタイプ”だもん。後発起動のゼロにしたのだって、やったのはそれと同じコトだよね。

 ゼロの“表情”を知って一気に黒いモノが消えた感情回路が動き出すと、自分のココロがよく見えた。
 それなりに自負していたハズの自分の役目と同じものを持った、自分より進んだ性能と冷静で乱れの無い動きの出来る“同型機”。ボクはずっと、ゼロのそういうトコが気に入らないんだと思ってたけど・・・

「あのね、ボク、ゼロがいっつも同じカオで・・・何言っても表情が無くて、嬉しいのか悲しいのかも分かんない、何にも感じてないみたいなのがイヤだった。それで、今まですっごくヒドいコト言っちゃってた。ホントにゴメンね。でも、今みたいなゼロはイヤじゃないよ」

 そう言いながらベッドの脇に立ったままのゼロを見上げれば、さっきの悲しそうな表情から、ちょっと困ったようなカオに変わったゼロは

「今の私・・・とは?」
「ゼロ、さっきベッド見てビックリしてた。それから、とっても悲しそうになって、今は困ってる。・・・ゼロ、この部屋来てからいつもと違うよ。表情がある」

 まだ“表情豊か”って言うには全然だけど、今までに比べたらほんのちょっとの時間ですっごく色んなカオをしてる。

「自分では、あまり分かりません」

 確かめるみたいに自分の頬を撫でながら首を傾げるゼロ。・・・ほら、その顔だって、ちょっとだけど“そうなのかなぁ”って思ってるのが分かる表情してるよ?
 それを教えてあげると、頬にあった手を下ろしたゼロは無表情に『そうですか?』って呟いてから

「でも貴方に・・・イチに嫌われたままでないのなら、とても嬉しいです」

 ボクと同じに作られた、でもずーっと硬い無表情ばかり浮かべていた顔が、まるで暖かい風に吹かれた花みたいにふんわり柔らかく綻んだ。

************


ベッドは、イチとゼロの関係に悩んだ研究員さんたちが残業中に出した『接近させて仲良くするなら、ベッドも一つでいいだろ』『どーせなら凄いの買っちゃおうぜ!』という、深夜テンションの意見が反映されて購入されたものと思われます(笑)

続き

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