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「アイス大好きな歌う青い兄さん」にやられた可哀想な人のブログです。
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こんばんは。

昨日は突然、さつき に鼻を噛まれました。抱っこしていたら、何の前触れも無くいきなりパクッと。・・・なんで?
未だにネコには謎が多いですね。いつか分かりあえる日が来るのかしら?


さて、それはさておき今日も北上家です。

小説は続き~からどうぞ。

***************

《あなたの微笑みは薔薇色の鎖・30 》


 恥ずかしい・・・恥ずかしい、恥ずかしいっ!

 メンタルチェックの為に訪れたロイド心理学の先生のところから足早に遠ざかりながら、僕の頭の中はこの一言で埋め尽くされる。
 
 別に何かされたとか、僕がおかしな事をしちゃったとか、そういう訳じゃなくて。
 なんて言うか・・・昨日、僕の身体のメンテナンスに時間がかかったのは、お爺ちゃんがマスターだった時と違う数値が上がっていて、その原因を詳しく調べたから。その原因は、マスターとするようになった・・・夜の事のせいで、つまりは所員さんや博士たちには、それが筒抜けだったって事で・・・

「あぁあーっ!」

 思わず、誰もいない廊下にしゃがみ込んで声を上げた。
 メンタルチェックの時に言われたけど、マスターと〈カイト〉がそういう関係になるのは特別珍しい事じゃないらしい。優しくそれを教えられて、更には身体まで気遣われちゃったのが、またすごく居た堪れない!来年からどんな顔してここ来たら良いんだろう・・・。

「どうなさったのです、カイト?どこか具合でも悪いのですか!?」

 気がつけば、歌唱検査をする防音室の近くに来ていたらしい。ちょうど僕を検査するために来たんだろうゼロが慌てて駆け寄ってくる。

「わっ、ごめん。大丈夫、何でもない!」
「本当に、何も無いのですか?顔がとても赤くなってらっしゃいますよ?」
「あー、うん、ちょっと恥ずかしかっただけ」
「恥ずかしい?メンタルチェックでですか?」

 無表情に首を傾げるゼロには、とても詳細を話せそうにない。いくら友達だって、言える事と言えない事があるもの。僕は曖昧に笑うと

「それより歌唱検査、もう出来る?」
「あ、ええ。イチは先に来ている筈ですので・・・イチ?入りますよ」

 こんな時でもキチンとノックを欠かさないゼロが扉を開けば、検査用の楽譜を眺めていたイチが顔を上げて

「カイト、どうしたの?顔が真っ赤」
「・・・気にしないで。検査、始めて」

 また言われちゃった。
 自分には見えない赤色を顔から抜くように軽く左右に首を振ってから言えば、ゼロと同じように首を傾げたイチは、それでもすぐいつもの笑顔になって

「じゃあ、歌唱範囲は去年と同じで良い?」
「あ、ううん、今年は違う。マスターがDTMで歌を入れてくれるから、大分変わったんだよ」
「へぇ、DTMデキル人なんだ。じゃ、歌ってみせて」

 この“歌う”は単純に歌を歌うんじゃなくて、出す声の高低の範囲を決めたり、歌えるテンポの確認をしたりするためのもの。だからこれから歌うのは、僕が歌える中で一番高低差のある、綺麗な高音が特徴の〈鏡音レン〉のカバー曲。

『・・・っ!』

 この歌を歌えるようになったきっかけを思い出してまた顔が赤くなるのが、火照っていく頬の熱さで分かったけど、それでも歌は止めない。去年よりずっと高く出せる声も、変わるテンポの速さも狂い無く、打ち込まれた通りの音を奏でる喉にそっと手を当てながら、僕は一曲を歌いきった。

「・・・素晴らしい!」
「すごいっ!」

 はぁっ、と一つ息を吐いた瞬間、左右から抱き付かれて思わずよろける。イチはともかくゼロまでこんな事するなんて、初めてじゃない?

「すごいすごい!カイト、今はこんなに歌えるんだね!」
「貴方があんなに高く美しい声が出せるようになるなんて・・・私、胸がいっぱいでございます!」
「そんな、大袈裟な・・・」

 まぁ今まではおじいちゃんが教えてくれていた、穏やかであまり高低の無い童謡ばかりだったから、驚きはするかもしれないけど。僕だって1年でこんなに歌えるようになるなんて思わなかったし。

「今のでカイトは合格!ねぇ、だから後はボクらと一緒に好きな歌、歌おう?」
「それは良いけど・・・でも検査、本当にこれで大丈夫なの?」

 本当はこの後から音程の正確性をゼロが、テンポの変化についていけるかをイチがチェックするんだけど。二人が仕事に手を抜くような事はしないって十分知ってはいても、この一曲で本当にそれが分かったのかな?

「私共も、この歌はよく存じております。テンポ、正確性とも間違いございません。もし心配なようでしたら、後ほど他の歌もお聴かせ下さいませんか?」

 青い瞳を“歌いたい!”って輝かせるゼロまでが言うんなら、きっと大丈夫なんだよね。

「うん。じゃあ何から歌おうか?」

 この胸の中にあるのはどれも、僕の二人のマスターが歌わせてくれた大切な曲。その一つ一つを思いながら自然に笑みが浮かんでくる顔を上げると、向かいで二つ並ぶ同じ顔も嬉しそうに笑っていた。


 一人で歌うのも勿論好きだけど、友達と歌う歌は、もっと楽しい。

***********


カイトが思い出して赤くなってるのは、7話で歌えなかった歌です。
あの時の事があってからは、高い音も余裕で歌えますよ(笑)

続き

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08夏からボカロ家族に夢中になり、遂にカイトにやられて読み専から書き手に。
ベタな展開と妄想が大好きです!
かなり根深い腐女子(貴腐人?)なので、色々すみません・・・

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