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また暑くなりましたね。だから、気温に波があり過ぎるっつーの!
さて、いつもパチやコメント有難うございますvvすぐにでもお返事したいところなのですが、話が思い切り中途半端ですのであと少しお待ち下さい。今回で一区切り付きますので!
まぁ、まだ初夜(笑)とかもあって、もうしばらく北上家にお付き合い頂く事になるのですがww
それでは、小説は続き~からどうぞ。
《あなたの微笑みは薔薇色の鎖・14 》
「足、洗うから待ってろ」
「あっ、いいです、自分で洗いますから!」
「・・・待ってろ」
結局、マスターに15分近く抱っこされたまま家に帰った。幸い夕暮れ前という半端な時間だったからそんなに人は居なかったけど、みんな驚いた顔でこっちを見てたのは仕方ないよね。ボーカロイドの盗難と間違えられて通報されなかったのが、不思議なくらいだもの。
「真白・・・ごめん。びっくりしたよね?」
音を聞きつけ廊下を走ってきた真白が、膝に乗って何度も僕のお腹に顔を擦り付けてきた。その小さな頭を撫でていると、お湯を張った桶を手にしたマスターが上がり框に座った僕の足元に跪いて、砂まみれの足を浸してくれる。
「すみません、ありがとうござ・・・っ、つぅ・・・」
マスターの言う通り傷が出来ていたみたいで、長い指がそっと足の裏を撫でるとチリチリした痛みが走った。
「痛いだろう、血が出ていた」
「・・・平気です」
ちゃぷちゃぷと足を洗う水音だけが響く玄関で、マスターの旋毛を見ながらそう答えれば
「カイトは・・・機能停止、したいのか?」
「いえっ!でも、あの・・・マスターに厭われるくらいなら、その方が良いです」
「俺が、厭う?」
「言いましたよね。僕、貴方が好きなんです。マスターとしてじゃなくて、北上 蘇芳という人を、恋愛感情で。困るでしょう?元々必要が無かったボーカロイド・・・それも僕みたいに可愛げもない男性型に、そんな風に想われているなんて」
まるで告白そのものが無かったような言い方に、本当に思いが通じたのか不安になってしまってそう返す。ここまではっきり言えば、いくら何でも分かってくれる筈。・・・このまま機能停止するのなら、もう何度言ってもいいだろうし。
「嫁に好かれて、何が困る」
「・・・はっ?」
何か今、おかしな単語が混ざっていた気がするんですけど!?
いつもの無表情のまま、鋭い目で真っ直ぐ僕を見上げて告げられた言葉に思わず声を上げれば、その顔を伏せて綺麗なタオルで丁寧に足を拭ってくれたマスターは
「だから。自分の嫁に好きだと言われて困ったり厭うたりする要素が、どこにあるんだ?」
「えと・・・その、ヨメって・・・僕?」
「・・・まさかとは思っていたが、知らなかったのか」
眉を顰めてそう呟きながら汚れた水を庭に捨てると、僕のお腹に腕を回して、ひょいっという擬音が聞こえそうなくらい軽々と小脇に抱えた。足の裏に怪我をしたから、歩かないで済むようにしてくれているんだろうけど・・・僕、50kg以上あるんですよ!?
そんな僕を自分の部屋の椅子に座らせたマスターが机の引き出しから取り出したのは、一通の封筒。
「これ、お爺ちゃんの・・・」
「遺言と一緒に入っていた」
読め、というように差し出されてそっと開いた便箋は、お爺ちゃんがいつも使っていた万年筆のブルーブラックのインクが、マスターへ向けた言葉を綴っていた。
それは形式通りの遺言とは違う、純粋に相手の事を想ったもので・・・きっとお爺ちゃんが生前マスターと遣り取りしていた手紙も、こういう内容だったんだと思う。
見慣れた文字がひどく懐かしくて、優しいあの声がすぐそばで聞こえるようなそれに、今日はやけに緩い涙腺から涙が零れそうになるのを堪えて読み進んでいくと、僕の事も書かれていた。自分が亡くなった時に一人残していくのは心配だって。だから・・・
「『遺言にも書いてあるが、本人が了承すれば可愛いカイトを蘇芳の嫁にやる。ただし、生涯かけて幸せにする覚悟が無いのなら、儂が連れていくからすぐに機能停止にしろ』・・・って、えっ、ちょっ、何これ!?」
「お前は、俺が来る前からこの話を聞いているものだと思っていた」
「初耳です!っていうかこれ重すぎますよっ。ただの中古ボーカロイド、こんな条件を課されてなお引き取ろうなんて人いない・・・」
・・・ううん、いた。だから僕はこうして、今も動いていられるんだもの。
「マス、ター?」
呆然と顔を上げれば、青灰色の瞳が眼鏡越しに僕を見つめながら
「この家に来た時、言っただろう?俺はカイトを、爺さんが買った時から知ってると。初めて歌った時の事も、初めて作った目玉焼きを焦がして、しばらくヘコんでいた事も。洗濯を干すのが好きな事も、爺さん思いでとても優しい事も全部、手紙づてに聞いていた。・・・ここに来るまで、女性型だと思っていたんだが」
「それは・・・すみません」
お爺ちゃんが何て書いていたんだか知らないけど、僕を凄く可愛がってくれた人だからきっと誤解させるような文面だったんだろう。この手紙からして“嫁”だもん。むしろ誤解しない方がおかしい。
「カイトが男性型だったんで、驚いた」
「それで僕を見た時、『お前がカイトか』って訊いたんですか。じゃあどうして僕を機能停止せずにいてくれたんです?僕を女性型だと思って、その・・・嫁にするつもりだったんなら、男性型じゃ駄目でしょう?」
「いや、確かに驚きはしたが・・・最初から、女性型だから嫁にするというつもりだった訳じゃない。一度、直接会って話をしてみたかっただけだ」
いつもの無口さからしたらもう3日分くらいは喋ってくれているマスターは、一度言葉を切って自分の胸に手を当てると
「顔を合わせたあの日、一人で爺さんの葬儀も後始末も全て取り仕切ったというお前が、俺の前で泣いただろう?」
「あっ!あれは・・・」
今思い出しても恥ずかしい。
僕は初めて逢ったその日に、マスター登録もしていなかったこの人の胸に縋り付いて服をびしょびしょにするほど泣いちゃったんだっけ。
「あの時に、カイトを守りたいと・・・これ以上泣かないで済むようにしてやりたいと、思ったんだ。今度は、俺のせいで泣かせてしまったようだが」
もう涙が乾いて、少しひりつく目尻を長い指がそっと撫でる。
その冷たさが気持ちよくて、でも今日も泣いてしまった事が情けなくて瞼を伏せると
「カイトが俺のものになると言った時、爺さんの話を聞いた上で了承したものだと思っていたから、そんな風に考えているとは知らなかった。・・・すまない」
「そんなのっ!元はと言えば僕・・・と、お爺ちゃんが悪いんだし。あ、でもそれじゃあどうしてあの時、あんなに困った顔をしたんですか?」
「あの時?」
「僕が最初に、好きですって言ってしまった時。とても困った顔をしていたので」
マスターの中の僕がそんな位置だなんて思いもしなかったから、告白に迷惑してるんだと思ったんだけど。こうして話を聞くと、そういう理由でもなさそうだし。
「笑ってほしい、と言っただろう。望むならそうしてやりたいが、カイトが見たという顔も意識していた訳ではないし。昔、無理に笑って子供に泣かれた事もあったから、どうしたものかと・・・」
なんだ、そんな理由だったんだ。
そりゃまぁ、ただでさえ表情の硬いマスターの作り笑いなんて、きっと物凄く怖いんだろうけど・・・単純な答えを聞いてしまえば、あんなにグルグル考えてたのが馬鹿みたい。
「悪いが、カイトが望むほど頻繁には笑えそうにない。笑わないでいるのは、止めるつもりだが」
「いいえ。無理して笑ってくれなくても、そう思って下さるだけでとっても嬉しいです」
だって、ほら・・・僕が笑うと、笑えないと言ったマスターもふわりと微笑んでくれた。
やっぱり心臓はドキドキするけど、自分の感情が分からなかった時よりずっと落ち着いて、大好きなそれを見ていられる。
「あの・・・マスター」
「ん?」
「僕・・・貴方が好き、なんです」
「・・・ん」
分かっている、と言うようにゆっくり頷くマスター。
その優しい微笑みに縛られた僕は・・・二度と、貴方から離れられません。
****************
一応ここまでで、北上家マスカイ一区切りです。
まぁ、先述の通り色々と済んでいない事(笑)もありますので、今後も北上家をどうぞよろしくお願いいたしますww
続き
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