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暑い暑いと言っていたらこれだよ・・・。急に涼しくなりましたが、皆さん風邪などひいてらっしゃらないでしょうか?私はクシャミのうちに抑えこんでおきたいです。(つまりひいていると・・・)
っていうか、もう8月も終わりなんですね。毎年、24〇間テレビ見ると憂鬱になりますよ。9月になったら運動会の準備とかで職場が忙しくなるので嫌だなぁ・・・。
小説は続き~からどうぞ。
《あなたの微笑みは薔薇色の鎖・13 》
焦って靴を履き損ねた足の裏に、まだ昼間の熱を残すアスファルトが直に触れる。
そんな事を気にしている余裕すら無い僕が走って走って、息が苦しくなって立ち止まった場所は、お爺ちゃんのお墓がある公園墓地だった。
「どうしよう・・・」
僕は、マスターに望まれてここにある存在じゃない。
あの人はとても優しいから、遺産として手にした家の付属品みたいな僕を無碍に出来なかっただけ。それなのに僕は、自分の立場も弁えずに何て事を言っちゃったんだろう。
「女性型ならまだしも、男性型の僕にあんな事言われても困るよね」
世間では恋愛対象に同性やボーカロイドを選ぶ人も珍しくなくなって、奇異に見られる事も殆ど無いけれど、やっぱり自分と対の性を選ぶのが一般的なのは変わらない。
まさか男性のマスターにこんな感情を抱くなんて僕自身思わなかったんだから、マスターからしたら晴天の霹靂もいいところだろう。自分と同じ性を模した“作り物”に、こんな歪んだ好意を寄せられるなんて。
「お爺ちゃん・・・」
呼び掛けて近付く、一つのお墓。お爺ちゃんはこんな所にはいないって・・・いつもお前のそばにいるって、逝く前に言ってくれたけど。
「ねぇ僕、どうしよう」
あのマスターがあんなに分かりやすい顔をしたんだから、よっぽど困ったんだ。その場で嫌悪の表情を浮かべられなかっただけ良かったのかもしれないけど、あの後を考えると凄く怖い。
「マスターに・・・嫌われたくないよ・・・」
俯いて呟けば綺麗な黒い石にポタポタ落ちるのが自分の涙だって気づいたけど、滅多に泣く事なんて無いから止め方がよく分からなくて、小さな水溜りは広がっていくばかり。
不要な好意を寄せる存在を近くに置くなんて、いくら優しいマスターだって煩わしいに決まってる。でも・・・もう他に何も望まないから、今まで通りあの人のそばにいたかった。
「やっぱりあの時、機能停止してもらえば良かったんだ!」
家を引き渡したあの日、はっきり言えていれば・・・そうしたら今頃こうやってマスターを困らせる事も、僕の胸が、こんなに苦しくなる事も無かったのに。
「ここに、いたのか」
蹲って泣いていた僕の耳に聞こえる筈の無い低い声が届いて振り返れば、傾いた日を背にした大きな黒い影。その肩が大きく動いているのは、今までずっと走って・・・僕を、探してくれていたから?
「マスター・・・」
「どうして、泣いている?」
少し荒い息の間から、それでもいつもの調子で訊かれて、自分でも驚くほどの涙が溢れ出す。
「カイト!?」
「だって・・・だって僕、マスターにあんな事を言って。分かっちゃいましたよね、僕がマスターをどういう意味で好きなのか。本当にごめんなさい、ボーカロイドの癖におかしな事を言って不快にさせてしまって。・・・今からでもお爺ちゃんにお願いしたら、僕を連れていってくれるかなぁ?」
止め方を知らない涙を流したまま、日差しに温もってお爺ちゃんの手みたいに温かい黒い石に頬を押し当てれば、いきなり身体を引き起こされて痛いくらいにきつく抱き締められた。
「っ、マスター!?」
普段は殆ど触れ合う事がない広い胸から、走ったばかりのせいかトクトクと早い鼓動が伝わってくる。
「・・・爺さんとの約束でも、カイトは連れていかせない」
僕の肩越し、お墓に向かって押し殺した声でそう告げたマスターは、そのまま立ち上がり
「約束?・・・って、ちょっ!?下ろして下さい!」
「駄目だ。靴も履かないから・・・足、傷が出来ている」
「そんなの良いですから!」
走り回って疲れてる筈なのに。さっきは、息だって切れてたのに!
そんな様子を全く感じさせずに僕を抱き上げたマスターは、一言だけ
「家に、帰るぞ」
「・・・はい」
やけに鮮明に耳に響いた言葉に、聞こえたかも分からないような小さな返事をすると、僕はマスターの肩に手を置いて、一度だけお爺ちゃんのお墓に頭を下げた。
*************
お墓は家から徒歩で15分くらいの所です。ただ、マスターは地元民じゃないし心当たりがなくてあちこち探しまくったので、だいぶ息が切れていた模様。
・・・カイトが心配なあまり鬼の形相(本人に自覚はないですが)で走り回るマスターを見かけた人は、きっと怖かったでしょうね(笑)
続き
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