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あっつ・・・あっつい!
何なんですか、最近の天気!いきなり夏に戻るとか、マジ勘弁!!(><)という感じですよ、本当。しかも1日のうち必ず曇りor雨があるので、布団も干せません。ちょう湿っぽい・・・orz
天気に対する愚痴はこの辺にして、さて北上家お出掛け編(後)です。北上家は(は?)相変わらずの健全さですので、ご安心してお読みくださいww
小説は続き~からどうぞ。
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《あなたの微笑みは薔薇色の鎖・10 》
「駄目ですよ、よその〈カイト〉を怖がらせちゃ。それでどこですか?観る映画のホール」
「ここだ」
「えっ」
前を行く長身が躊躇い無く入ったのは、例の恋愛映画のホール。
封切りがだいぶ前だったせいかあまり人がいないけど、数少ない観客は組み合わせの男女を問わずカップルばかりだった。同じ二人連れな筈の僕らが、ひどく浮いている気がして居心地が悪い。確かに一人で見るのにも勇気が要るだろうけど、ボーカロイドだって大人一人分の代金とられるのに、余計なお金払って僕なんか連れてくるほど観たかったのかな?
「・・・さっきの二人がいます」
「ああ」
背が高いマスターは、多分後ろに気を遣って館内の最後部に僕と並んで座ったんだけど、その二列ほど前の斜め先に、さっきの〈カイト〉とマスターさんがいた。あの人も結構な背の高さだから、マスターと同じように考えて前が沢山空いているのに後ろへ座ったんだろうな。
ボーカロイドと恋愛関係になる人間も増えているって聞いたけど、肩がくっつくほど寄り添って仲良く手を繋いでいるところを見ると、あっちは恋人同士みたい。・・・そう、僕たちと違って。
「そう言えばさっき、よく僕とあの〈カイト〉を間違いませんでしたね。そっくりだったでしょう?」
「見た目は、似てた。けど、全然違う」
「そうですか?まぁ、あっちの彼の方が僕よりずっと可愛い感じでしたもんね」
そういう違いって、同じ姿をしていてもやっぱり滲み出るものなんだろうな。
僕が言うと、マスターが口を開いて・・・
“ビーッ!”
「あ、始まりますよ」
「・・・ん」
開始を告げるブザーに、結局そのまま何も言わずに前を向いてしまった。
チラリと見上げた横顔は、いつもはひたすら怖いっていう印象だけど、スクリーンに集中して眉間の皺が薄い今は普通にカッコいい。出掛ける時に羽織ってきたロングコートだって、背が高くて姿勢が良いから凄く似合うんだ。僕が着たらうっかり引き摺りそうな長さを着こなせるのは、羨ましいと思う。
そして肝心の映画はって言うと・・・正直僕には難しい内容だった。
恋愛ものだけど単純に男女がどうこうっていうじゃなくて、曖昧な表現が多くて抽象的だし、外国語で流れるのが早い字幕。どうしよう、内容が分からなくなってきちゃったな。
「あっ!」
ふと逸らした視線が前の席に向いた時、ちょうどあの二人が唇を重ねているのを見て、つい小さく声を上げてしまった。
「どうした?」
思わず凝視していると隣から小さな声で訊かれて、慌てて何度も首を振る僕の脳裏に再生されるのは、数週間前あの子と同じようにマスターにキスをされて、そして・・・
「い、いいえ、何でもないです!」
「・・・そうか?」
納得していない顔をしながらも頷いたマスターは、再びスクリーンに視線を戻してくれた。良かった・・・あの後、何も無かったみたいに態度の変わらないマスターだけど、さすがにあれを一緒に見たら気まずくなるだろうし。
多分マスターには聞こえないんだろうけど、人より性能が良いボーカロイドの耳は気にしないように映画に集中しようとすればするほど、ちょっと困ったようなあの子の声と、楽しそうなマスターさんの声ばかりを拾ってしまって、もう映画どころじゃなかった。
結局あの後ずっと、段々と行動がエスカレートしていく二人の観察を続けてしまった僕は、薄暗いホールを出た瞬間
「どうした、赤い顔をしているが・・・どこか悪いのか?」
と、マスターにやたら心配されてしまって。仲良しなのは良いけど、公共の場でイチャつくのは程々にしてほしいなぁ。
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「具合、どうだ?」
「だから、大丈夫ですって」
映画館を出た後、同じくカップルの多かったイタリアンレストランで食事して、やって来たのは広い公園。日も落ちてすっかり暗くなった園内に、色とりどりの電飾で飾られた木々が輝いている。
「でも本当、キラキラして凄く綺麗ですねぇ。僕、こういうの実際に見たのって初めてなんです」
「・・・気に入ったか?」
「はい、とっても!・・・だけど・・・」
こんなロマンチックな場所じゃ当然って言えば当然かもしれないけど、やっぱりここにもあちこちにカップルの姿。時間帯のせいもあってか、みんな昼間より積極的に相手にくっついていて、手も握ってない僕たちの方が不自然に見えてしまう。
言い掛けた言葉に、眉間の皺を深めたマスターが覗き込んでくるので、慌てて顔を上げると
「あ、いえ、なんでも無いんです。・・・あの、マスター」
「ん?」
「今日は、どうして僕を連れて来てくれたんですか?」
僕は貴方にとって、ただのボーカロイドなのに。こんな素敵な、まるで・・・・
直接的な事は言えなくて遠回しに訊けば、眼鏡越しに見える青灰色の瞳が、僕と合った。それだけで、まるで場の雰囲気に当てられたように動けなくなった僕の頬を、壊れ物みたいにそっと触れた冷たい手と、ゆっくりと近付く顔に瞼を伏せる。その時
「あれ、スーさんじゃね?」
「っ!?」
後ろから掛けられた声に、ピタリとマスターの動きが止まった。僕も、魔法が解けたみたいに自由になった身体が勝手に跳ねて、思わず後ずさるとマスターと距離が開く。
「あ、やっぱり。さっすがスーさん」
振り返ったマスターを見た茶髪の若い男性は、人懐っこい笑顔でこっちにやってきた。マスターは“蘇芳”という名前だから、“スーさん”はそこからとったあだ名だろう。
「さすが?・・・何が」
「知ってたんじゃないの?次の講義の『電飾が樹木に齎す影響と、その対策』。題材にするの、通年でイルミネーションやってるこの公園だって。オレ、たまたま教授に訊いたからデートがてら見に来てみたんだけど。スーさんもそれで来たんだろ?」
講義って事は、マスターと同じ大学の人なのかもしれない。少し後から来る可愛い女の人がデート相手の彼女かな?
「ああ、それでここに・・・」
この公園を見るのが、今日の目的だったんだ。
暗くならないとイルミネーションは点灯しないから映画とご飯で時間を潰して、こんな場所に一人で来るよりはマシだから、家にいた僕を連れて来た。・・・ただ、それだけ。
「あ、キミってもしかしてボカロ?」
「はい、マスターがお世話になっています。ボーカロイドシリーズ04〈カイト〉です。マスターのお友達ですか?」
「うん、同じ園芸学科なんだ。スーさんって途中編入だったし威圧感とか凄いけど、本当は良い奴だからみんなに好かれてるんだよ。でも、ボカロ持ちなんて意外だったなぁ」
「僕は、たまたまマスターになって頂いたようなものですから」
言いながら隣のマスターをちらりと見上げると、相変わらずの硬い表情の中にちょっと困ったような感じが見える。お友達に褒められるの、慣れてないのかな?
「オレたちはそろそろ帰るけど、向こうの方とかもキレイだったから見てきたら?じゃあまた学校でな、スーさん」
「・・・ん」
軽く頷くいつものそれは学校でも同じなのか、気を悪くする事も無く手を振ったお友達さんは、彼女と腕を組んで出口の方へ歩いて行ってしまった。
「カイト・・・」
僕はマスターと同じ男性の形で作られた、映画館のあの子みたいな可愛らしさもない、成り行きで一緒に暮らしてるだけのボーカロイド。キスも、それ以上の事さえされたあの後だって何も無くて・・・ううん、マスターにとって、あれはただの治療だって分かってたのに。
“これって、もしかしてデートなのかな?”だなんて、何ておこがましい事を考えたんだろう。
「はい、なんですか?それよりあっちですって、マスター。せっかくお勉強のために来たんだから、しっかり見ておかないと!」
自分の勘違いが恥ずかしくて・・・何故か少し、悲しくて。
低く呼ばれた名前にわざと大きな声で返しながら、でも顔も見られずにマスターの袖を軽く引くと、僕はお友達さんが教えてくれた公園の奥へと足を進めた。
後日、たまたま使ったインターネットの検索サイト。僕らの住む市名を入れれば、そこに“デートコース”という単語が並んで入る予測変換と、検索結果にあの日のルートがそのまま出ていたけど・・・
これは、あの公園を検索の為の手段・・・ですよね、マスター?
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はてさて、結局どうだったんでしょうね?映画見て、ご飯食べて夜の公園へ、というベタなデートコースにしてみたつもりなんですが。
まぁ、喪女には無縁なんで、おかしいところがあってもフィクションとしてお楽しみくだs・・・な、泣いてなんかないんだから!ww
続き
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