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「アイス大好きな歌う青い兄さん」にやられた可哀想な人のブログです。
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こんにちは。

今日から暑さが戻ると言っていましたが、さほど暑くならず一安心です。急に暑くなると、夏休みでホームステイ中の職場ウサとかグッタリしちゃうからやめて!(><)

ところで、HIGE・・・じゃない、HIGH SC●RE(伏字の意味・・・)がアニメになるらしいですね。割と連載初期からのファンなので、楽しみなような怖いような・・・一つだけ言えるのは、『何で今頃!?』というww


さて、北上家ですが今回は急(?)展開です。

小説は続き~からどうぞ。

**************


《あなたの微笑みは薔薇色の鎖・7 》


「~~♪~~・・・っ!」

 途切れてしまった声に、マスターが手元のマウスをクリックした。同時に僕に転送されていた音声データも止まって・・・それが悔しくて悲しくて、きつく手を握る。

「・・・すみません、マスター」

 この間、動画サイトで見つけた歌。
 僕もマスターもすぐに気に入ったそれは、歌っている〈鏡音レン〉の持ち味である高音が生かされた素敵な歌で、マスターは学校も忙しい中いつも夜遅くまで歌唱データを入力してくれていた。それなのに・・・

「いや、いい。俺の打ち込みが甘いせいだろう。もう少し、直してみるから・・・」

 歌い始めて3日経っても全く高い声が出ない僕に、慰めるように言いながらパソコンのエディタを開こうとするマスターの袖を少し躊躇った後、軽く引いて止める。

「・・・これ、僕の身体のせいです」
「どういう意味だ?」

 怪訝そうな顔は、連日の夜更かしで疲れが取れないのか精気が無い。ただでさえあまり表情が出ないのに、そんな疲れた怖い顔と低い声で訊かれたら、余計に答えづらいじゃないですか。
 
「僕、起動してから今まであんなに高い声を出した事なかったから。長い事使っていなかったせいで、発声機能がうまく作動してないんだと思います。他のところはちゃんと歌えてるんだし、マスターの調声は大丈夫ですよ」

 歌う事に特化して作られたボーカロイドは、調声さえ正しければ男性型でも女性型でも、低音も高音も自在に出せるように出来ている。起動して5年という長い間一度も高音を使った事がなかった僕の身体は、きっと声の出し方を忘れてしまっているんだろう。

「一度でも高い声が出れば、それをきっかけに出せるようになると思うんですけど・・・ごめんなさい。入力通りに歌う事も出来ないなんてボーカロイド失格ですね、僕」
「カイト・・・」

 身体があるせいでマスターの努力に応えられないなんて、情けなさ過ぎて笑ってしまう。こんな事なら、音声ソフトの“VOCALOID”だった方がよっぽど良かったのに。
 心配そうなマスターの声と近付く気配に、そっと後ずさると
 
「あの・・・せっかく入力してもらったのに、すみません。もうお終いにしてもいいですか?この歌は、また僕に高い声が出せるようになったら。・・・ごめんなさい、おやすみなさいっ、マスター!」

 俯いた顔を上げられないままそれだけ言って、僕は逃げるようにマスターの部屋を飛び出した。

*************************************

 枕元で、真白の鳴き声がする。昨日から僕の部屋にいたみたいなのに、自分の事に手いっぱいで気付かなかったな。

「おはよ、真白。・・・もう朝か」

 せっかく頑張ってくれていたマスターにあんな事を言っちゃって、今日は顔を合わせづらい。
 そう思いながらそばに寄ってきた真白を抱き上げて撫でていると、音も無く襖が開いた。

「あ・・・おはよう、ございます」

 外に出たかったのか、僕の腕をすり抜けた真白は開いた襖の隙間から出て行ってしまう。ああ・・・顔を合わせづらいどころか、マスターが僕の部屋に来ちゃったよ。

「・・・マスター?」

 口数は少なくても、いつも声を掛ければそれなりに反応してくれるマスターから何の返事も無いのを不審に思って、座っているせいでいつも以上に高い位置にある顔を見上げると

「ちょっ、マスター、隈が出来てますよ!まさか、あれから寝てないんですか!?」

 銀フレームの眼鏡の下に見える青黒い色に、驚いて声を上げてしまった。この様子じゃ、もしかしたら昨夜から一睡もしてないのかもしれない。

「一度でも高い声が出せれば・・・その後は、調声通り歌えるのか?」
「へっ?あ、はい、一度出せば身体が思い出す筈なので。でも、どうしてもその一度が出ないんです。もう何か、外的な要因が無いと無理なのかもしれません」
「・・・〈カイト〉に、簡単に高い声を出させる方法、あった」
「本当に!?わぁ、嬉しい!あ、もしかしてそれを探してて徹夜・・・」

 だとしたらとっても申し訳ないけど、そこまで僕が歌えるように考えてくれたんだと思うと、ボーカロイドとしての幸せさに胸が熱くなる。
 そんな僕への返事代わりに一つ頷いたマスターは、動きに釣られるようにふらついて跪いてしまった。

「だ、大丈夫ですか?あの、方法が分かったのはとっても嬉しいんですけど、今はひとまず寝て下さい。マスターが起きたら、また教えてもらいま・・・」

 慌てて広い肩に手を掛けると、マスターの顔が急に近付く。いつもは直視できない眼鏡越しの瞳が外国の人みたいな青っぽい灰色だったなんて、初めて知った。
 綺麗な色だと見惚れている間に、起き上がっていた身体は布団に逆戻りしていて、唇がふにゅっとした柔らかいもので塞がれる。そのまま、何かがスルリと入り込んできて・・・

「んぅっ・・・マスター!? っ、まっ・・て・・」

 なにこれっ、僕、マスターにキスされてる!?

 驚いてとっさに掴んでいた肩を押すけど、目の前の身体はビクともしない上に、触れる角度を変えた拍子にぶつかった眼鏡を煩わしげに外したマスターからのキスは、更に激しくなった。
 ひどく熱く感じる舌が僕の舌に深く絡むと、時々歯を立てられて・・・まるで食べられてるみたい、なんて、酸素の薄くなってきた頭が勝手に考える。

「ぁ・・・んふっ・・ま、すた・・・らめっ・・・」

 恋人がいるなんて聞いた事が無いけど、ちょっと怖くて口数が少ないだけで本当はとても優しい人だから、いても全然おかしくない。眠すぎて、僕をその人と間違えてるのかな?
 マスターが僕を恋人と勘違いしてるんだと思うと、何故か胸の奥に重しを掛けられたような、息苦しいような気持ちになって。それを振り払うように唇を離そうとすると

「カイト」

 先に唇を離したマスターが、隔てるものの無い青灰色の瞳でじっと見つめながら、低く僕の名前を紡いだ。これって誰かと間違えた訳じゃなくて、“僕”にキスしてるって事?
 このおかしな状況を何一つ解決しないのに、それが分かった瞬間ゾクンッと背中に震えが走って、思考が徐々に霞んでいく。


 気がつけば助けを求めるように、押し返す為に伸ばしていた腕は広い背中に縋りついていた。

*****************


ようやっと、ちゅーまで漕ぎつけました(笑)
次回は久々に、赤字のターンになりそうです。読めない方は申し訳ありませんorz

続き(8話・R18
続き(9話へ)

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08夏からボカロ家族に夢中になり、遂にカイトにやられて読み専から書き手に。
ベタな展開と妄想が大好きです!
かなり根深い腐女子(貴腐人?)なので、色々すみません・・・

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