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「アイス大好きな歌う青い兄さん」にやられた可哀想な人のブログです。
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こんばんは。

今日は節分ですね。皆さん、豆は撒きましたか? 我が家は豆を買い忘れていたんですが、幸い給食で出た豆を持ち帰っていたので、それを撒きましたよww

さて、今日はカイト視点の話です。

小説は続き~からどうぞ。

************


《マスターとカイトと“永遠の命”・4 》


 タヌキさんからの電話を切った後、気がついたら感情回路はロックされていた。そうじゃなきゃオレは今もあそこから立ち上がれないまま、ここに来ることも、言われたものを用意することも出来なかったんだろうけど。

“感情”があるロイド、〈ボーカロイド〉だけが持つ、一定以上の急激で激しい感情変化が起こった時に作動するロック機能。
 感情の暴走で暴れたりしないように作られたそれは、一度作動すれば感情全部が封じられて、オレたちも他の作業用ロイドみたいに、どんな状況でも人間の命令だけを聞いて動くようになる。

 だから、ロックの掛かった今のオレは何があっても感情が動くことはない。その筈なのに・・・

『カイト!!』

 叫ばれた名前が、胸の真ん中が刺さってすごく痛いのは何でだろう。

「コッカ。カイト君、感情回路に暴走防止のロックが掛かってるんだと思う」

 病室に戻ってきたタヌキさんが、さっきより焦った様子でマスターに教えてる。オレのこと、ミクに訊いてきたのかな。

「暴走防止って、どうしてそんな・・・それでカイトは、こんな風になってるのか?」
「うん、そうみたい。長くロックが掛かってると、回路を損傷する恐れがあるって」

 確かに回路のロックは、強く動いていた感情をいきなり力技で抑え込んだような状態だから、大きな負荷がかかって損傷を生じる可能性があるけど。でも、今のオレはそれが必要だったんでしょう?ロックは、自分の意思で掛けたり解除したり出来るものじゃないもん。

「損傷!?ロックって、どうやって解除するんだ?」
「それが、早々起きる事じゃないみたいでミクもよく知らないんだ。ロックされた原因は、コッカが死んじゃうって思ったショックからじゃないかって言ってたけど。もうロックの必要が無いって実感する切っ掛けでもあれば、解除出来るかもって。それと・・・感情回路は、日々動かす事で個体特有の働きをするようになるものだから、損傷すると元のように直らない可能性もあるって」
「直らない・・・このままじゃ、カイトが壊れるって・・・ことか?」

 呆然と呟く声に合わせて、オレを抱く震えた片腕にきつく力が籠る。

 いつもなら抱き締められたら嬉しくて胸が温かくなるし、でもマスターがこんなに震えてたら心配して気持ちがザワザワするのに、今のオレが感知するのは身体の圧迫感が増したことだけ。当たり前みたいに感じていたものが何も起こらない。起こらないことにすら、何も感じない。

 このまま感情回路が壊れたら、いつもこうなるのかな?

「ロックの必要・・・。悪ぃ、ちょっとだけ外してくれるか?」
「うん・・・何かあったら呼んで」

 タヌキさんが部屋から出て行くと、腕を離したマスターは困ったような顔でオレの頬を撫でて、じっと目を見つめながら言った。

「なぁカイト。俺が事故って、そんなに驚いたのか?ゴメンな、びっくりさせて。でもほら、腕はちょっと怪我してるけど他は何ともない。元気だから、そんな顔してないでいつもみたいに笑ってくれよ。・・・お前が、壊れたら・・・俺はこうして生きている意味が無くなる」

 泣き出しそうに軋む小さな声。そして、そっと重ねられる唇。

「・・・す・・た・・?」
「・・カイト?」

 前にマスターが、生き物は死ぬと冷たくなるって言った。だから、オレの身体が冷たいのは嫌だって。
 それを教えてくれたあの時のマスターの胸は温かくて、優しい心臓の音がして・・・今、確かめるようにオレの名前を呼ぶこの唇がとっても温かいのも、マスターが生きてるからだ!

 その瞬間、耳の奥でカチリと鍵を開けた時のような小さな音がした。

「ぁ・・あっ・・・ます、た・・・ますたっ、ますたぁ!」

 今まで何も感じなかったのが嘘みたいに、堰き止められていた色んなものが一気に溢れてくる。

 マスターが生きててくれたのに安心して、けど、電話があった時の怖くて凍りつくような感じもまだ身体の奥に残ってて。怪我してるのが辛そうで、オレのせいで震えてた腕が悲しくて、なのにそんなマスターに何も感じなかった自分に、ものすごく腹が立って。でもやっぱり、こうやってキスできるのが嬉しくて・・・もう思考回路も感情回路も、オレの中全部がぐちゃぐちゃ。

「カイト・・・カイト!」
「んっ・・ん・・マスター・・・」

 腕を伸ばして縋りつきながら、冷たい自分の舌を差し出して熱いほどのそれに必死に絡めると、マスターは頬にあった片手を俺の背中に回して、ぎゅうっと抱き締めてくれた。

*************


カイト復活!
因みにロック機能は、主に負傷などしたマスターに取り乱したボカロが、マスター救助の支障とならないように付けられている意味合いが強いです。
基本的にロイドは人に危害を加えないように出来てるので、取り乱しても直接人に危害を加える可能性は低いですね。

続き

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無題
心まで凍りついてしまった少年には少女の温かな涙が。眠れる姫には王子のキスが…。定番でも萌ゆる展開ですよねぇ…。
Y.O.D 2011/02/05(Sat)22:09:05 編集
無題
お約束というのは、それだけ良いとされているという事で・・・定番ですが、私も好きですw
南浪 2011/02/06(Sun)15:35:30 編集
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08夏からボカロ家族に夢中になり、遂にカイトにやられて読み専から書き手に。
ベタな展開と妄想が大好きです!
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