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今日は、この冬一番の寒さだったんじゃないでしょうか?私の部屋、朝2℃だったんですけど・・・あれ、室内だよね?
休日で家にいた職場ウサも、寒さに縮こまっていました。湯たんぽ入れてたんだけど、すっかり冷めて・・・ゴメン!
さて、今日は第3話です。今日はマスター視点ですね。
小説は続き~からどうぞ。
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《マスターとカイトと“永遠の命”・3 》
「なんだ、生きてるじゃない」
落ち着いたクリーム色に揃えられた部屋。小さなノックと共に顔を覗かせた綿貫は、俺を見て開口一番そう言った。
「・・・いきなり何て事言うんだ、お前は」
「だって、暴走車に撥ね飛ばされて救急車で運ばれたなんて連絡来たから・・・。今だから言うけど、電話もらった時は正直やばいんじゃないかって思ったんだよ?あ、おれ年休取ったし、付き添いの養護の先生に後は引き受けますって言っといた。結局、怪我はそれだけ?」
「今んとこはな。さっきまでやってた検査の結果に異常が無ければ、あとは着替えが来れば帰れる」
指された右腕は骨が折れていた為に固定されて三角巾で吊られたが、他は今のところ無事だ。
信号無視で突っ込んできた車に撥ねられた俺は硬いアスファルトの上ではなく、運良く道路脇の田んぼに墜落した。現場に駆け付けた警察いわく
『落ちたのが田んぼだったのと、ぶつかった時の受け身の取り方が良かったお陰で、これだけの怪我で済んだんですね。何か運動でもされているんですか?』
との事だが、泥混じりの氷を割りながら田んぼへ着地したのは違う意味で辛かった。ずぶ濡れで寒いし着ていた服はドロドロでどうにもならず、今は病院のお仕着せを借りている。
現場が近くだったので学校から呼び出された養護の先生にも悪い事をしてしまった。後で礼を言っておかないと。
「相手、大学生だって?」
「そう。朝まで酒飲んで、そのまま親の高級車乗り回してた救いようが無い馬鹿」
今朝ニュースを見たばかりだってのに、まさか自分がこんな目に遭うとは。
しかもそいつ、俺を撥ねてそのまま逃げやがった。見ていたあの保護者が通報してくれて、すぐ捕まったんだが・・・相手に蹴りの一発でも見舞ってやりたいところだ。
「しかし、お前んとこに連絡行ったのか。何か悪かったな、面倒かけて」
「気にしないで。っていうか、実は来る前にカイト君にも連絡しちゃった。もうすぐ着くと思うよ」
「カイトに?別に良かったのに」
「連絡あった時はどの程度の怪我だか分かんなかったし・・・万が一って思って。それに色々持ち物も頼まれたから、ここ来てからコッカの家行くより、カイト君に来てもらった方が早いでしょ?」
それはそうだが、幸い命に係わる怪我でもなかったんだし余計な心配は掛けたくなかった。朝、あんな話をしたばかりだもんな・・・本当に間が悪い。
と、そこへ小さなノックの音。
「はーい」
近くに居た綿貫がドアを開けると、今思い浮かべていたばかりの青い色が目に入る。
「あ、ちょうど良かった。今話してたとこなんだけど・・・ゴメン。コッカ、全然大した事無かったんだ。心配させちゃったよね?」
おどけたような綿貫の言葉に小さく首を傾げたカイトは、けれど何も言わずに2、3度瞬くと手提げ袋を差し出して
「声紋確認、命令者ト一致。着替エ、たおる、印鑑、オ持チシマシタ」
「・・・カイト君?」
抑揚の無い、聞き慣れない電子音声のような声がその口から紡がれた。受け取った綿貫が怪訝そうに呼びかけるが、それに対する反応は全く無い。
「ちょっ・・・何これ、カイト君どうしたの!?」
「そんなのこっちが訊きたい!カイト、どうしたんだ!?」
一瞬の内に全身を包んだ嫌な感覚に突き飛ばされ、裸足のままベッドから飛び降りると棒立ちのカイトの肩を揺する。片手で掴んだ細い身体は大きく傾いだが何一つ抵抗する事も無く、ぼんやりと空を見つめたまま視線すら定まらない硝子玉の瞳・・・
「カイト!!」
「命令ハ遂行サレマシタ。次ノ命令マデ自動待機シマス」
自分の名に反応した訳でも無く、カイトはただ目の前の声の主に向けて小さな声で呟いた。
笑ったり泣いたり驚いたり・・・クルクルと表情を変えるその顔は何の感情も浮かべない今、ただひたすらに整い過ぎていて、こいつが人間と違うって事を不意に俺に突き付ける。
「なんだ、これ・・・何なんだよ!おい、カイト!!」
「ちょっ、落ち着いて!」
呼べばいつものように応えるんじゃないかと、掴んだ肩を揺さぶって声を上げる俺に綿貫が止めに入るが、そんな言葉は耳に入らない。今欲しいのは、ただ一言だけ。
「なぁ、カイトは壊れたんじゃないよな?すぐ元に戻るよな!?」
「コッカ・・・うん、大丈夫だよ。カイト君は大丈夫。だけどコッカがそんなんじゃ、びっくりしちゃうでしょ?自分だって怪我してるんだしさ。おれ、ミクに訊いてくるからちょっとだけ待ってて。ね?」
子供に言い含めるように話しながら軽く俺の背中を叩いた綿貫は、ケータイを手に部屋を出て行った。院内では使えないので外へ行ったのだろうか?
薄い肩を掴む片手を下ろして抱き寄せれば、あの温もりが幻だったような身体の冷たさに、回した腕が震える。これがずっとこのままだったら・・・カイトが元に戻らなかったら?
両親を失った“あの日”と同じ底無しの暗闇が、足元にぽっかりと口を開けて呼んでいる気がした。
*************
撥ねられた時の音は、氷が割れる音でした。冬の田んぼは普通乾いてますが、前日雨だったので水ぽかった模様。
・・・そして今度は、カイトの番(?)です。
続き
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