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ここ数日、暑さのせいか他に理由があるのか、夜になってもよく眠れません。今日はちょっと涼しい風が吹いてるから眠れるかなぁ?
小説は続き~からどうぞ。今日はちょっとだけ長いですw
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《マスターとボカロ兄妹と遊園地・4 》
“キャーッ!”
悲鳴と嬌声と轟音を響かせて、目の前を走り抜けていく長い乗り物。
瞳を輝かせてそれを見つめるミクちゃんと、尾を引く声をポカンと見送ったカイトの差が面白くて、つい笑ってしまった。
「・・・まっ、マスター!あれ何ですか!?人が乗って、まわっ・・今、ぐるって、逆さまになりましたよ!乗ってる人が落っこちちゃいます!!」
「あー、落ちない落ちない」
過ぎ去ったそれの起こした風に青い髪が揺れる頃になって、ようやく思考が追いついたらしい。握った手だけじゃなく服の裾まで掴んでぐいぐい引っ張ってくるあたり、よっぽど驚いたんだな。
「お兄ちゃん、見たこと無いの?」
「うん。・・・あれ、なに?」
「ジェットコースター。すっごい面白いよ!」
少し怯えた問いに、長い緑の髪を邪魔にならないように編んでいたミクちゃんが力説する。さっきコーヒーカップに乗った時は飛び散らないように手で押さえていたようだが、さすがにここまでくると下準備が必要らしい。女の子らしい長い髪も、こうして見ると色々大変だな。
「マスターも・・・好き、なんですか?」
コーヒーカップを前にした時より数段硬い声で訊きながら、不安げにこっちを見上げるカイト。
「俺?まぁ割と好きだけど。こういうのは向き不向きもあるし、無理して乗らなくても良いんだぞ?俺も一緒にいるから、列出てこいつらを待ってるか?」
ジェットコースターの列に並んで20分程だが、どう見ても“不向き”に分類されそうな様子に言ってやれば、一度頷きかけたカイトはしかし俺の答えと、自分たちの後ろに続く列に気付いたのか
「だ、大丈夫です!乗ったら平気かもしれないし」
「そうだね。一回乗っておけば、今後の参考にもなるだろうし」
「大丈夫、お兄ちゃん。すっごく楽しいし、乗っちゃえばあっという間だから!」
「う、うん・・・がんばる」
楽しむ為の乗り物に“頑張り”が必要な時点で向いていないと思うんだが、まぁこれも経験の内だ。実際、コーヒーカップのあの回転も平気だったんだから、乗ったら案外何でも無いかもしれないし・・・話している内に、順番も回ってきたしな。
「マスター。手、離しちゃ嫌ですよ!?」
「大丈夫、分かってるよ」
ゆっくりと地を離れていくコースターに隣り合って座り、今までにない強さで俺の手を握ってくるカイトに、やっぱり二人で綿貫たちを待っていれば良かったかと思った次の瞬間、レールの天辺まで上りきった乗り物は重力に引かれて一気に加速を始めた。
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「お兄ちゃん、大丈夫?」
「う・・・ん・・・」
ミクちゃんの問い掛けに震える声が呟いたが、その姿はまるで生まれたての小鹿のようだ。
最初の坂から落ちる(という表現で良い高さだった)時に『ひっ!』という短い悲鳴を上げたきり声をかけても殆ど反応が無く、最悪強制終了でもしてるんじゃないかと思ったので、コースターから自力で降りられただけで花丸ものだろう。
「お客様、よろしければ車イスをご用意いたしますが?」
どうやら、こんな客は珍しくもないらしい。
他の乗客はとっくにいなくなり、残った俺たちの様子に係員が気を回して言ってくれたのだが、用意してもらう前に次の便の乗客が降りてきそうだ。大勢の前にこんな姿を晒すのも可哀相だし・・・
「いえ、結構です。わざわざすみません」
係員に軽く頭を下げると、俺に縋るのが精いっぱいのカイトの背中と膝裏に手を差し入れて、そのまま抱き上げた。
「わぁ、お姫様だっこ!」
「おいタヌキ。この辺にベンチ無かったか?」
「ま、マスター!?オレ、大丈夫です!」
「真っ直ぐ立てもしない癖に何言ってる、どうせ碌に歩けないんだから。少し休めば平気だろ?」
「ぁう・・・すみません」
項垂れながらも、やっぱり歩けそうにないらしい。大人しく身を任せたカイトを抱き上げたまま、綿貫たちの先導で早足にその場を離れた。
「ごめんなさい、マスター。抱っこまでしてもらっちゃって」
ジェットコースターの裏手にある人気のないベンチに下ろすと、項垂れた青い頭が小さく呟く。あんまりしょぼくれた様子が可哀想で、その隣に座って小作りなそれを撫でながら
「気にするな。乗る前にも言ったろ?こういうのには向き不向きがあるって。たまたまカイトはこういうのには向いてなかったってだけだ。・・・ほら、さっきのコーヒーカップ。お前たちは平気だったけど、俺だけ酔ったじゃないか。あれと同じだよ。カイトが平気でも、俺には合わないものもあるし」
「そうですか・・・?」
情けない顔を上げたカイトは、その後パッと表情を明るくして
「あっ、じゃあ今度マスターがコーヒーカップ乗った時は、オレがマスターを抱っこします!」
「カイトが俺を?・・・無理だろ」
作業用ロイドなら話は別だが、ボーカロイドは娯楽目的のロイド。特別に設定しなければ、人間と同等程度の力の筈なので、俺より軽くて小さいカイトが俺を担げる筈がない。というか出来たとしても、カイトにあんな風に抱き上げられるくらいなら、這ってでも自分で動くだろう。それがマスターとしての意地ってもんだ。
「ほら、な?」
「わぁっ!重いです、マスター!!」
「別に担いでくれなくても、今くらい支えてくれりゃ十分だよ」
「は、はい。がんばります!」
体重を掛けて隣の細い身体に寄りかかれば、支えるというより自分の全体重を俺の方に向けてつっかい棒にしているような感じで頑張るカイト。そこへ
「あっ、人がいない間に二人してイチャついてるよー」
「人聞き悪い事を言うな、お前は!」
売店をひやかしに行った綿貫とミクちゃんが、腕を組んで戻ってきていた。・・・他の誰に言われようと、お前らには言われたくないぞ。
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ジェットコースターは某ネズミの国でしか乗った事がありませんが、割と平気です。
しかし、いくら人が少ないとはいえ、お姫様抱っこは目立つだろうなぁww
続き
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