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せっかく晴れたのに、ひどい風です。これじゃ何も出来ませんよ!・・・水槽の掃除はしたけど。何か砂埃で顔がじゃりじゃりしますww
さて、今日で4話目です。何か(拍手コメとかの)反応があまり無いので、内容的に大丈夫なのかすっごく不安なんですが・・・あと6話ほど続きます、すみません。
小説は続き~からどうぞ。
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《カイトとマスターと冬の嵐・4 》
最近、マスターの様子がおかしい。
お仕事が忙しいのか毎日帰りが遅いし、何となく怒っているような、イライラしてるみたいな感じがして、声をかけづらいんだ。この前の休みも、翌日の予定は何もなかったのに夜は普通に寝ちゃったし、キスも、全然してくれなくなっちゃったし。
顔を合わせてる時間も短いような状態だから、結局あの女の人の話も訊けないままで、せっかくめーちゃんとめーとに話して軽くなった気持ちが、またずっしりと重くなってきた。
「カイト」
「はいっ!?」
朝、お見送りのために門の前まで出ると、傘を持ったマスターに呼ばれて、思わず大きな声が出る。だって昨日辺りから、いってらっしゃいの挨拶もぎこちなくなってたから。
「その・・・今日は、早く帰れる」
「・・・はいっ!」
早く帰れるってことは、今日は長い時間一緒にいられるってことだよね?どうしよう、すごく嬉しい!今までは帰ってご飯を食べると、すぐお風呂に入って寝ちゃう感じだったから。
オレが大きく頷くとやっと笑顔になってくれたマスターは、久し振りに額にキスをしてくれて、それから駅に向かって歩いて行った。
「いってらっしゃい!晩ご飯、美味しいの作って待ってますから!」
「行ってきます。期待してるぞ」
後ろ姿に声をかければ、振り返って手を振ってくれる。その姿が見えなくなるまで見送って、オレは家の中へ戻った。
「金太郎さん、金次郎さん。今日はマスター、早く帰ってきてくれるんだって!」
嬉しい気持ちを伝えたくて水槽の金太郎さんたちに声をかけると、冬になってからあんまり動かない二匹も、水面の方に寄って来てくれる。それにまた嬉しくなって、家の中をピカピカに掃除しながら晩ご飯の献立を考えた。マスターの好きなもの、作ってあげたいな。エビが好きだから、エビチリとかにしようかな?オレは辛くて、あんまり食べられないけど。
「マスター、喜んでくれるかなぁ・・・」
キレイになった家に鍵を掛けて、お買い物に出る。
美味しいご飯作って、マスターといっぱいお話して・・・あの人のこと、訊いてみよう。なんだか今なら、めーちゃんのマスターたちみたいに、ずっと好きだよって言ってもらえるかもしれない。あの女の人は何でもなくて、あの時のことも、キスじゃなかったんだよって。
「その道から出てきたって事は、もしかしてヤチん家の〈カイト〉?」
マスターの家から団地へ出る一本道を歩いていると、よくお蕎麦屋さんとかが乗ってる出前のバイクに乗った若い男の人に、声を掛けられた。
「ふぇ?マスターを知ってるんですか?」
「あ、やっぱそうかー。俺、笹野。前にヤチん家に、空手してた時のDVD送ったんだけど」
「それ、オレも見ました!あの、ありがとうございます」
前に、高校生のマスターが空手をしてる時のDVDが、マスターのお友達から送られてきたことがあるけど。それを送ってくれたの、この人だったんだ。
「ヤチ、カッコ良かったろ。中高とも主将だったし強いんだよ。だからボーカロイドを買ったって聞いた時は、どういう心境の変化かと思ったけど・・・」
ヘルメットから茶色い髪をはみ出させた笹野さんは、上から下まで視線を動かしてオレを確認するみたいにしてから
「どう?ヤチのマスターぶりは。ちゃんと歌わせてもらってる?」
「はい、たくさん歌わせてもらっています。マスター、いっぱい教えてくれますよ?」
「そうなんだー。ヤチ、歌だけはすごい上手いもんな。でもまぁそろそろ、君だけ構ってもいられなくなるか?」
「え・・・?」
その言葉に、朝からの嬉しかった気持ちが一瞬で消えて無くなる。何でマスター、オレだけ構っていられなくなるの?
「どうして、ですか?」
「宮元が・・・ヤチの元カノの宮元紗奈が、こっちに戻ってきたんだよ。だから、またヨリを戻すんじゃない?」
「モトカノ?よりを・・・もどす?」
訊き慣れない言葉に首を傾げると、笹野さんは考えるように視線を空に向けて
「あー、こういう言葉って分かんない?んーと、元カノってのは、別れた彼女の事。ヨリを戻すってのは、別れた相手ともう一回付き合う事・・・かな。あいつら、宮元が北海道の大学に行くんで別れたらしいから。別れる直前まで上手くいってたし、宮元もヤチもフリーだったら、また付き合いだすんじゃないか?」
「・・・その、サナさんっていう人は、キレイな女の人ですか?こう、肩くらいの長さで切った真っ直ぐの髪の、ちょっと小柄な」
「あー、そうそう、高校ん時もそんな感じだった。ちょっと変わってるけどすげぇ美人なんだよ、宮元。なんだ、もう知ってたんだ」
駅で、マスターと一緒にいた女の人・・・マスターの、“モトカノ”だったんだ。
「・・って、え、ちょっ、なんか泣きそうじゃね!?いや、ヤチは女作ったって、今まで一緒にいた君の事ないがしろにするような奴じゃないから!変な事言ってゴメンな?」
「いえ・・・だいじょうぶ、です」
「脅かしちゃったかな?君に何かあったら、俺がヤチに何されるか・・・。あいつ、自分のものに手ぇ出されるのすっごい嫌うんだよ。本当、マジでゴメン!!じゃあ俺、配達あるから」
両手を合わせてオレを拝むみたいにすると、笹野さんはバイクに乗って団地の方に行ってしまった。
「こんなに時間経っちゃって、大丈夫なのかな?」
配達の途中なのに、なんて、どうでもいいことをぼんやり考える。
マスターの帰りが遅いのは、お仕事があるからだと思ってた。他に理由があるなんて思わなかったから、訊きもしなかった。でも
「もう・・・“よりをもどしてる”の、かなぁ・・・」
呟くと、まるで『そうだよ』って言うみたいに、黒くて厚い雲の間から冷たい雨が降り始めた。
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一応、千代家は関東南部にあるという事でお願いします。(この辺の人は一般的に北海道→遠い、というイメージですね)
まぁ、別れた理由は別にあるんですけど・・・。
続き
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