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「アイス大好きな歌う青い兄さん」にやられた可哀想な人のブログです。
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こんばんは。

さっき、一人暮らしをしている妹が、頼んでいたものを家に届けてくれたのですが・・・家に入らず直接部屋の窓を叩くので死ぬほどびっくりしました。某おロシア様みたいに心臓転げ落ちるかと思った(笑)。
いや、有難いんですけど・・・暗くてよく見えないから怖かったさ、妹よ。


さて、私の心臓事情はさておき、小説です。
やっと第1話(1章?)が終わりですが・・・あれ、「×」は?どこにも見当たらないぞ??


小説は続き~からどうぞ。

***************

マスター始めました・11


 
一緒に風呂に入ってくれと言われた時は多少(?)動揺したが、良く考えれば旅行に行った時とか、普通に友達と一緒に共同浴場に行ったりするよな。カイトが意味も無く可愛らしく訊くから・・・いやいや。とにかくそういう訳で、二人分の寝巻を用意して脱衣所に入る頃には、俺も平静さを取り戻していた。

「マスター。オレ、どうすれば良いんですか?」
「風呂入るんだから、服は全部脱げ。あ、脱いだ服は洗濯するからそこのカゴに入れろよ」
「はーい」

 
良い返事をして、カイトは慣れない服をもたもたと脱ぎ始める。思ったけど、体験に関しては小さい子供みたいなんだよな、こいつ。知識はそれなりにあるようだけど、それ実生活に生かすには、まだまだ経験が足らないのだろう。
 
何を教えても素直に聞くところなんかは、実際の小学生よりよっぽど可愛げがあるけど・・・なんて思っていると

「これでいいですか?」
「あ?」

 
意外と早かったな、と振り返って、ついまじまじと凝視してしまう。

「ぁ・・あの、ますたー?オレ、何か変ですか?」

 戸惑う
声に我に返り、慌ててタオルを取り出すとカイトに押しつけるように渡した。

「ぅあ!いや、何でもないっ。ほら、タオル腰に巻いとけ。人と一緒に風呂に入る時のマナーだ。んで先入ってろ。あ、湯船に入る前にシャワーで身体流せよ」

 
中身は小学生並みだが、服を脱いだカイトは、確かに設定年齢・・・20歳程度の男の身体の作りをしていた。ただ、服を着ていた時以上に細身に見える。肌の色が白いから、余計にそう感じるのかもしれないけど。
 腕
や脚に無駄毛と称されるものは無く(まぁ、メーカーも無駄と称されるものをわざわざ付ける気にはならなかったのかもしれないが)つるりとしているし、こういうところは“作り物”故の仕様だろうか?

「・・・ついてたな」

 
何がって、ナニが。可も無く不可も無く、というサイズだが、取り敢えず真っ先に自分の方が大きくて良かったと安心した俺は、男として間違っていないと思いたい。
 
しかし、ボーカロイドは食べた物全てをエネルギーに変えるので排泄機能は無い筈だ。じゃ、あれ要らなくね?まぁ男性型だし無いのもおかしいか?いや、そしたらそもそも男に乳首とかあるのも本来無駄なんだし、それもちゃんとあったって事は、人間と同じものは作ってあるのか?などと、制作者でもあるまいし、考えても到底解決しそうにない事をうだうだと考えながら浴室のドアを開けると、そこにはガタガタ震えるカイトの姿。

「何で水被ってんだ、お前は!」
「だってマスター、このシャワーはお風呂洗った時から、ずっとお水だったんですっ」

 
俺の叫びに、泣きそうな声でカイトが主張する。あーはいはい、悪かったです。俺はカイトが頭から被っている冷水シャワーを止めて、レバーを捻ると手で水温を確認。

「ほぁー、あったかい」
「そこのレバーで水温調節するんだよ。赤い方に捻れば捻るだけ熱くなるから、先に手で確認してから使え。いきなり身体にかけるなよ」
「わかりました」

 
言っておかないと、今度はいきなり熱湯を被りそうな気がする。神妙な顔をして調節レバーを見つめるカイトの頭と、ついでに身体にも温水になったシャワーをかけてやり、先に湯船に浸からせた。家の風呂は、亡くなった父の希望で一般家庭より浴槽が広い。俺が脚を伸ばしても爪先が当たらない位だ。

「そんな縮こまってないで脚伸ばせよ。・・・どうだ?初めての風呂は」

 
慣れないからか、ぎゅうっと身を縮めていわゆる体育座りで湯船に浸かる姿に笑いながら声をかけてやると、そろそろと畳んでいた脚と腕を伸ばしたカイトはやっと表情を緩め

「なんか、ふわふわして気持ちが良いです」
「気に入ったか?」
「はいっ!」

 
俺の好みで温めの湯になっているから、しばらく浸かっていても逆上せたりしないだろう。まぁロイドが逆上せるかは知らないが。その間に俺が全身洗って、場所交代。カイトを洗い場に出す。

「今日は初めてだから、頭くらい洗ってやるよ。こっち向いて頭出せ」

二人で洗い場に立つと少々狭いので俺は湯船に半分浸かったまま、風呂用の小さな椅子に座ったカイトに下を向かせて頭に湯をかけると、その項に数字の列とバーコード。肌の上から書いてあるのではなく、刺青のように皮膚に馴染んでいる。

「ん?なんだ、これ」
「ひゃぅっ!」

 
何気なくその上に指を滑らせると、カイトが高い声を上げて身を竦めた。そのあまりの激しさに、こっちも驚いて指を引っ込める。

「ま、マスター。そこ、駄目ですっ。触ると、身体がビクッてなります!」
「・・・なったな、確かに。で、これ何の印だ?」

 
守るように両手でそこを押さえたカイトの指の上から軽くつつくと、俯いたままのカイトはそろそろとその手を外し

「自分じゃ見えないんですけど。多分、個体識別番号です」
個体識別番号?」
「はい。〈カイト〉はオレ以外にもたくさんいますけど、この番号はオレだけのものです。これは、オレが廃棄になるまで消えません」
・・・誰が、家族を廃棄になんてするか」

 
不吉な事を言う口を塞ぐように、勢い良くシャワーを掛けると小さな悲鳴が上がったが、無視だ。軽く泡立てたシャンプーを青い髪に乗せて手で馴染ませる。おお、凄い指通り良いな。俺なんて髪伸ばすと必ず絡まるぞ。
 髪
が指の間をすり抜ける感触が面白くてつい夢中になっていると、小さな笑い声。

「なんだ、擽ったいか?」
くすぐったい・・・。んと、違います。オレ、マスターのボーカロイドで良かったなぁって思ったら、ここが温かくて・・・うれしい、かな?うん、嬉しくなりました」

 
何をもってそういう感想になったんだか知らないが、自分の胸に手を当てたまま、カイトはクスクスと笑う。嬉しい、という感情の認識も曖昧なのに、その表情の“嬉しそう”な事と言ったら・・・

「・・・そか。シャンプー流すから目ぇ閉じろ」
「はい」

 
こっちの方が胸の中が擽ったいような落ち着かない気持ちで、俺は青い髪に纏いつく白い泡を、自分の時の数倍は丁寧に流していった。

***************


風呂シーンで終わるのってどうなのよ、という気もしますが、これにて一区切りです。
今後はポチポチ短い話の後、今度こそ「×」・・・の、フラグくらい立てたいなぁ・・・。

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08夏からボカロ家族に夢中になり、遂にカイトにやられて読み専から書き手に。
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