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「アイス大好きな歌う青い兄さん」にやられた可哀想な人のブログです。
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≪マスターの葛藤≫


「マスター、オレ、今度はこれが歌いたいです」
「ん?動画見てたのか。どれどれ・・・って。いや、うん。これは無理!俺がこれ歌ったら何かまずい気がするし、お前に歌われても俺の心情的に色々と支障が出そうな・・・」
「えー、どうしてですかー?オレ、歌いたいですよ」
「うーん、困ったな・・」

“バーンッ!”

「はーい!お困りのボーカロイドマスターに、救世主登場!」
「とーじょー!」
「うをっ!?タヌキ!それにミクちゃんも、いきなり何なんだ!?
「はいはい。確かにコッカがこんな可愛い歌を歌ったら気持ち悪いよね。でもカイト君が歌うの、聞きたいんでしょ?」
「気持ち悪いとか、余計なお世話だ!っつかお前ら本当になん・・」
「でもでも、お兄ちゃんがこれ歌ったら、絶対可愛いよ!?
「あー、そうだよなぁ・・・って、ミクちゃんも!人の思考読まないでくれ!」
「そんな時はマスターのDTMの腕前で、ちょちょいのちょい!」
「へ?あ、てめェタヌキ!人のパソコン勝手に・・・」
「はい、出来た!カイト君にそーしーん!」
「あ、データ来ました」
「伴奏流すよ~」
「はーい」
「おい、ちょ、待て。人の話を聞け・・」

“ポン♪ポン♪ピン♪”

「まぁすた、まぁすた、こっちむ~いて♪」
「・・・くぁっ!」
「悶えてるね、お兄ちゃんのマスター」
「うん、すっごい悶えてる。コッカ、カイト君にメロメロだしねぇ。おれはやっぱりミクが一番だけど」
「やだ、マスターってばv
「・・ちょ・・・お前ら本当、何しに来たんだ!?
「げんきっになりっましったか~♪」
「なった、なったけど・・・!」
『めでたしめでたし。ちゃんちゃん♪』
「めでたくねぇーっ!」


*****************

《マスターは見た!》


 
家のカイトは家事が得意だ。

 
家事機能が搭載されてるんだから当然かと思いきや、実はそうでもないらしい。・・・いや、これだと語弊があるな。機能搭載だと、登録されている作業なら最初から上手い事出来るらしいが、それ以外やその応用となると、そのロイド次第だそうだ。その点で言うと家のカイトはかなり高レベルなんじゃないだろうか?

 ・・・ただ、俺は見てしまったんだ。

――――――――――――――

「晩ご飯は大きいアジが買えたのでアジフライです。これから作るから、少し時間が掛かるんですけど」

 
今日は帰る途中で家に電話をしたので、夕飯の支度が出来ていなかったらしい。迎えに出たカイトが申し訳なさそうに言うので

「まだ時間も早いし、急がなくて良いよ。っつか、何か手伝うか?」
「あ、大丈夫です。添えものは出来てますから、後はフライを作ってキャベツ刻むだけですし」
「そっか。んじゃ頼む」

 
玄関先でのやり取りの後、俺は着替えに、カイトは台所に戻って準備にと別れる。スーツを脱いで部屋着に着替えた俺が何気なくダイニングの前を通りかかると、何故かまな板の前で目を閉じて両手を合わせるカイトの姿が。何してんだろ、と思ったら・・・これから捌く鯵に手ぇ合わせてるんだよ、あいつ!どこで覚えたんだ、そんな仕草。

 
その後の手際は、さすが家事ロイド(違)。綺麗に骨と身に別けられた鯵が残ったんだが・・・つい、その一連の作業をドアの陰からじっと見守ってしまった。

「どうですか?マスター」
「ああ・・・美味い」

 
サクサクの衣と、ふっくらしていて全く骨の気にならない鯵の身。揚げたての熱々で、白飯にも千切りキャベツにも非常によく合う。とても美味い。美味いんだが・・・ 

「そうですか、良かった」

 
結局あの、拝む仕草をどこで覚えたのか訊けないまま、俺は何となく居た堪れない気分でフライを味わった。・・・今度から、あの食材に丁寧過ぎる調理風景を見ないように気をつけよう。


*****************

《カイトのお気に入り》


 
珍しく持ち帰りになった仕事を済ませ、やっと寝られる、と部屋に戻った俺の目に映る光景。

「・・・これは、有りなのか?」

 
暗い室内に、思わず呟いた声が落ちた。視線の先には、幸せそうな寝顔で横になっているカイト。俺が寝る為に半分ベッドを空けているのはいつもの事なんだが、その腕には、ラッコのぬいぐるみがしっかり抱かれている。

 身長
168cmの男性型ボーカロイドの腕に、本物より一回りくらい小さいが、それなりにデカいぬいぐるみ。こないだ水族館に行った時、土産物屋で青い目がじっと見つめていたそれを抱くのが俺なら完全アウトだが、カイトだと妙に似合っているのが何だか困る。それともこれは、惚れた欲目か?

しかし、本当に気に入ってんだな」

 
確かにラッコの水槽の前に随分長い時間いたし、買ってやった時は嬉しそうに笑っていた。(考えたら男二人で土産にぬいぐるみってどうよ、と思ったが、後の祭りだ)しかし、いつもはソファに置いている筈で、ここには持ち込まなかったが、どうしたんだ?
 
不思議に思いながらそっと布団を捲り、身体を滑り込ませると、ベッドの振動にカイトが目を覚ます。

「・・・ますた?」
「お、悪い。起こしちゃったか?」

 
眠そうに瞬く青い目が俺を認めると、何故か今まで抱いていたぬいぐるみを自分の背後に動かす。そして

「ふふ、ほんもの」

 
寝ぼけた声で呟くと、俺の腕を引いてさっきのぬいぐるみの代わりに胸に抱いた。・・・もしかして

「俺の代わりか?それ」

 
すっかり安心した様子で目を閉じて、また気持ち良さそうに寝息を立て始める白い顔。思わずそれに問いかけると、まるで返事のように、俺の腕がぎゅうっと抱き込まれた。 
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女性
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処理能力の低い事務員
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08夏からボカロ家族に夢中になり、遂にカイトにやられて読み専から書き手に。
ベタな展開と妄想が大好きです!
かなり根深い腐女子(貴腐人?)なので、色々すみません・・・

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