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「アイス大好きな歌う青い兄さん」にやられた可哀想な人のブログです。
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こんばんは。

休み明けて仕事に行ったら、職場でインフルエンザが猛威を奮っておりました。うわー、やだやだ。
取り敢えず、ヤクルト400を信じて乗り切りたいです。頑張って、Lカゼイシロタ株!!

さて、今日もキリ番リクの話です。7000の時に踏んで下さった、サイトウ様からのリクエスト。
「カイトとエプロンのエピソード」
エプロンと聞いて最初、“裸エプロン”しか出てこなかった管理人の脳みその残念っぷりに絶望です。
そして出来上がれば、むしろマスターのエピソード的な・・・。すみません、許して下さい m(_ _)m


小説は続き~からどうぞ。

****************

≪マスターのお裁縫≫


「おかしい・・・なんでこんな事になってんだ、俺」

 
ため息混じりに呟くが、手元から一瞬も視線を外す事はない。ちょっとした気の緩みで縫い目が盛大に曲がるのは30分前に体験済みだ。10年ぶりくらいに触るミシンは、もはや未知の機械に等しい。

「千代先生、どうですか?」
「あー、何とかなりそうです」
そう、良かったわ。教科書は机の上に置いておいてくれればいいですから」
「すいません、ありがとうございました」

 
家庭科室のドアをちょっと開けて顔を覗かせた、母と同じくらいの年の女性教諭は、小さく笑いながら手を振って姿を消した。

 
そもそも、俺が縫物なんてする事になった原因はカイトだ。

 起動して6日目の今朝。朝飯を作っていて服を汚したと、そりゃもう大層申し訳なさそうに涙目で謝ってくるもんだから、それならエプロンでも買ってやろうと思って、けどよく考えたらエプロンなんてどこに売ってるのか知らなかった俺の目に入ったもの。

・・・それ、個人で買えます?』
『へ?先生、こんなのどうすんだい?』

 
学校に出入りの業者が、子供の家庭科用教材の見本に持ってきたエプロン作成セット。これ学校で作っちまえば、わざわざ店に行ってどことも分からない売場をうろつかなくてもいいんじゃないか?そもそも小学生が作るもんだ、そんなに難しくないだろ。

『あー、ちょっと入用で』
『はぁ、まぁ良いけど・・・』

 
怪訝そうな業者の表情には気付かなかった振りをしてそのセットを一つ買うと、さっそく勤務時間後、ミシンを借りて作業を始めたんだが・・・・侮れないな、小学生。これ意外に難しいぞ。っつか、ミシンの使い方がよく分からない。おかしいな、俺だってガキの頃こんなエプロン作ったんだから、絶対使った事あるんだ。
 
使った記憶はあるのに、使い方の記憶は一切残っていないのは何故だろう。

 
仕方無く、家庭科を教えている先生に教科書を借りると一通りミシンの使い方を再確認(記憶に無いので、むしろ初めて同然だ)。改めて作業に入り、既に2時間以上が経過していた。

「んー・・・こんなもん、か?」

 
自分で言うのも何だが、俺は大抵の事はそこそこ出来る。エプロンもミシンの使い方を覚えてしまえば、盛大な失敗はせず形になった。若干縫い目が曲がっているだとか、ポケットの位置が左右で少しずれているだとか、そんなのには目を瞑ってもらうしかない。ここまでにミシン針を2本も折ったとか、切るとこ間違って予定より少し丈が短いのも、言わなければ良いだけの話だ。

「げっ、もうこんな時間か!」

 
昨日よりかなり遅い。こんな事する予定じゃなかったから、カイトに何も言ってこなかった。心配してなきゃ良いけど・・・
 
 
俺は慌てて片付けを済ませると、まだ明かりの洩れる職員室に声を掛けて、学校を後にした。


                              


「良かったぁ。おかえりなさい、マスター」
「ただいま、カイト。なんだ、まさかずっとここで待ってたのか?」

 
夜道を自転車で疾走して帰宅すると、玄関を開けた先に青い髪のボーカロイドが立っていた。

「だってマスター、昨日の時間になっても帰って来なかったから、えと・・・何ていうか・・・気になる?じゃなくて・・・何かあったんじゃないかなって思ったら、心臓が変に脈打ってきちゃって・・・」
「心配してくれたのか」
「しんぱい?・・・・・あ、そうです、そんな感じです。だから良かったです、帰ってきてくれて」

 
納得のいく感情の名前が付いたらしいカイトは、ニコッと笑うと、腕を伸ばして抱き着いてくる。
 昨日、俺が訂正出来なかったばっかりにこれが普通だと学習してしまったらしい、欧米型の出迎え方。問題だよなぁと思いながらも、疲れた身体にかかってくる重さがしっくり馴染んで心地良い。

あ、そうだ。これ、カイトに」

 
これから一緒に晩飯作るんだから、丁度良いだろ。抱き締めた背を軽く叩いて離すと鞄を漁り、さっき完成したばかりのエプロンを差し出した。受け取ったカイトは不思議そうにそれを広げて眺めながら

「お洋服ですか?」
「いや、エプロン。家事する時に、服が汚れないように上からつけるんだよ。それならいくら汚してもいいから」
「へぇ・・・便利なものがあるんですねぇ」
「・・・あんま、よく見るな。一応使えるとは思うけど、そんなに上手く出来なかったから」

 
矯めつ眇めつ、まじまじと見つめられると粗が目立ちそうで困る。そう思って言うと、カイトは青い目を見開いて俺を見つめ

「マスターが・・・作って、くれたんですか?オレに?」
「ぅあっ!?あー・・・そう。まぁ小学生が簡単に作れるようなセット、使っただけだけど」

 
籔蛇だったか。紺色の生地に同じ色の糸で縫った地味なエプロンなので、黙っておけば多少の難点は分からなかったかも知れない。うっかり発言を後悔していると、見開かれていた目がジワリと潤んだ。

「・・・カイト?」
「・・れし・・・うれしい、です・・」
「おまっ、こんな事でそんな・・・」
「だって・・・」

 
手に持つエプロンを顔に当てて、涙声が呟く。それを引き寄せて軽く頭を撫でると、白い面がそっと上向いて

「あ、あの、してみて、いいですか?」
「ああ。大きさとか大丈夫か?」
「・・・どうでしょう?」

 
少し身を引いて、初めてつけたそれを俺に確認させるように、ゆっくりと身体を捩った。もたもたと後ろ手で結った紐が、少し歪な蝶結びになっているが・・・そんなのも含めて、良く似合っている。短くなったと思った丈も、丁度良いみたいだ。

「良いんじゃないか?」
「えへへっ、良かった。・・・マスター、ありがとうございます!」


 
まだ涙の滲む目元を手で擦ると、カイトは真新しいエプロンに身を包んで、綻ぶように笑った。

***************


この話は、まだカイトが来たばかりの、デキる前の話です。これに合わせるために、密かに以前の話を修正した事は秘密ですよ(笑)
サイトウ様、ありがとうございました。だいぶリクとずれていて、申し訳無いです!
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08夏からボカロ家族に夢中になり、遂にカイトにやられて読み専から書き手に。
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かなり根深い腐女子(貴腐人?)なので、色々すみません・・・

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