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こんばんは。
みなさん、今は夏です。8月中旬です!
・・・という事を念頭に、今日の話は読んで頂けるとありがたいです。半纏着て炬燵に入りながら作った話だなんてそんな(笑)
本当、いつかは話が季節に追いつく日が来るんでしょうか?
小説は続き~からどうぞ。
みなさん、今は夏です。8月中旬です!
・・・という事を念頭に、今日の話は読んで頂けるとありがたいです。半纏着て炬燵に入りながら作った話だなんてそんな(笑)
本当、いつかは話が季節に追いつく日が来るんでしょうか?
小説は続き~からどうぞ。
***************
《カイトと夏の歌声》
ジー、ジー・・・と、途切れる事無く続く、耳に響く音。
マスターのお家は裏が雑木林になっているから、セミの鳴き声がよく聞こえる。初めて聞いた時は、家の中の機械が壊れているんだと思って、あちこち探し回っちゃったくらい。生き物が出している音だなんて、マスターが捕まえて見せてくれるまで信じられなかった。
「今日も盛大に鳴いてるなー」
網戸越しに見える林に向かって、マスターが呟く。扇風機の前なので、その声がゆらゆらと揺れて聞こえるのが面白い。初めて扇風機を出した時にはマスター、回り出した羽根の前でわざと“あー”って声を出していたし。扇風機っていうのは、風を出すだけの道具じゃないのかな?
「マスター、どうしてセミってあんなに朝から夜まで、ずうっと鳴いてるんですか?」
「あー、蝉はな、土の中で何年も幼虫で過ごして、この時期になると一斉に大人になって地上に出てくるんだ。んで、ああやって鳴いて、恋人を探してるんだよ。いっぱい鳴かないと、恋人見つからないだろ?」
「じゃあ、一度に出てくるのはなんでです?」
あっちもこっちも、セミだらけ。時々、網戸にとまって鳴いてる事もあるくらい。もうちょっと時期をずらしてもいいんじゃないかと思って訊くと
「大人になった蝉は、夏の間しか生きないんだ。短い間しか生きられないから、みんな一遍に出てきた方が、出会いが多いだろ」
「・・・夏が終わったら、死んじゃうんですか?」
あんなに大きな声で、あんなに元気良く鳴いているのに・・・もう8月も残り2週間くらいしかない。夏って、いつまでなんだろう。
「そんな顔するなよ」
そっと伸びてきた大きな手に、頭を撫でられる。どんな顔してるんだろう、オレ。マスターは何だか、困ったような顔をしてるけど。
「俺達にしたら、あっという間かも知れないけど。蝉にとっちゃ、やっと明るい世界に出た一番幸せな時なのかも知れないぞ?だから自分の声、精一杯張り上げるんだよ。あんだけいる中でただ一匹の自分の相手に向かって、俺はここにいるぞって、な」
“まぁあいつら全部が張り上げ過ぎて、俺らには煩がられるんだけど”と言いながら、マスターはちょっと笑った。
「・・・あの、マスター。夜になったらオレの歌、聞いてくれますか?」
昼の間は、一生懸命鳴いているセミの声を聞いていて下さい。でも夜、セミがみんな眠ってしまった後は・・・
「ああ。何を歌ってくれるんだ?」
オレはまだ、変な顔をしてるのかも知れない。マスターの手が頭から頬に動いて、あやすように額や目元にキスが降ってくる。
「この間教えてくれた、あの歌です」
「あれか。だいぶ上手になったもんな」
そう言って褒めてくれるマスターに言ったらきっと、悲しそうな顔で怒るだろうから。だからこれは音にはしない、秘密の願い事。
ねぇ、マスター。オレは生き物じゃないから、死ぬ事はないけれど。
それでも壊れて止まるまで、世界中でただ一人、マスターだけのために歌い続けたいんです。
****************
何か思いの外、湿っぽい話になって気が・・・。
蝉って短命の代名詞みたいですが、良く考えたら土中で何年も生きてるし、自然ではひと夏は生きるらしく(良く言う2週間っていうのは、飼育下だかららしいです)、虫的にはかなりの長寿ですよね?
ジー、ジー・・・と、途切れる事無く続く、耳に響く音。
マスターのお家は裏が雑木林になっているから、セミの鳴き声がよく聞こえる。初めて聞いた時は、家の中の機械が壊れているんだと思って、あちこち探し回っちゃったくらい。生き物が出している音だなんて、マスターが捕まえて見せてくれるまで信じられなかった。
「今日も盛大に鳴いてるなー」
網戸越しに見える林に向かって、マスターが呟く。扇風機の前なので、その声がゆらゆらと揺れて聞こえるのが面白い。初めて扇風機を出した時にはマスター、回り出した羽根の前でわざと“あー”って声を出していたし。扇風機っていうのは、風を出すだけの道具じゃないのかな?
「マスター、どうしてセミってあんなに朝から夜まで、ずうっと鳴いてるんですか?」
「あー、蝉はな、土の中で何年も幼虫で過ごして、この時期になると一斉に大人になって地上に出てくるんだ。んで、ああやって鳴いて、恋人を探してるんだよ。いっぱい鳴かないと、恋人見つからないだろ?」
「じゃあ、一度に出てくるのはなんでです?」
あっちもこっちも、セミだらけ。時々、網戸にとまって鳴いてる事もあるくらい。もうちょっと時期をずらしてもいいんじゃないかと思って訊くと
「大人になった蝉は、夏の間しか生きないんだ。短い間しか生きられないから、みんな一遍に出てきた方が、出会いが多いだろ」
「・・・夏が終わったら、死んじゃうんですか?」
あんなに大きな声で、あんなに元気良く鳴いているのに・・・もう8月も残り2週間くらいしかない。夏って、いつまでなんだろう。
「そんな顔するなよ」
そっと伸びてきた大きな手に、頭を撫でられる。どんな顔してるんだろう、オレ。マスターは何だか、困ったような顔をしてるけど。
「俺達にしたら、あっという間かも知れないけど。蝉にとっちゃ、やっと明るい世界に出た一番幸せな時なのかも知れないぞ?だから自分の声、精一杯張り上げるんだよ。あんだけいる中でただ一匹の自分の相手に向かって、俺はここにいるぞって、な」
“まぁあいつら全部が張り上げ過ぎて、俺らには煩がられるんだけど”と言いながら、マスターはちょっと笑った。
「・・・あの、マスター。夜になったらオレの歌、聞いてくれますか?」
昼の間は、一生懸命鳴いているセミの声を聞いていて下さい。でも夜、セミがみんな眠ってしまった後は・・・
「ああ。何を歌ってくれるんだ?」
オレはまだ、変な顔をしてるのかも知れない。マスターの手が頭から頬に動いて、あやすように額や目元にキスが降ってくる。
「この間教えてくれた、あの歌です」
「あれか。だいぶ上手になったもんな」
そう言って褒めてくれるマスターに言ったらきっと、悲しそうな顔で怒るだろうから。だからこれは音にはしない、秘密の願い事。
ねぇ、マスター。オレは生き物じゃないから、死ぬ事はないけれど。
それでも壊れて止まるまで、世界中でただ一人、マスターだけのために歌い続けたいんです。
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何か思いの外、湿っぽい話になって気が・・・。
蝉って短命の代名詞みたいですが、良く考えたら土中で何年も生きてるし、自然ではひと夏は生きるらしく(良く言う2週間っていうのは、飼育下だかららしいです)、虫的にはかなりの長寿ですよね?
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南浪(ななみ)
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性別:
女性
職業:
処理能力の低い事務員
趣味:
通販・ニコ動巡り
自己紹介:
08夏からボカロ家族に夢中になり、遂にカイトにやられて読み専から書き手に。
ベタな展開と妄想が大好きです!
かなり根深い腐女子(貴腐人?)なので、色々すみません・・・
*メルアドはこちら*
〈nanami1103☆hotmail.co.jp〉
☆→@にして下さい。
メールで頂いたものは、メールでお返事します。
物申したいけど返事がブログに載るのは・・・という時は、こちらにご連絡を。
あ、勿論普通の感想をこちらに送って頂いても大丈夫ですよv
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